長浜バイオ大学 ゲノム編集研究所所長 齊藤 修
最新のゲノム編集は、「究極の技術」「神の技術」「近年で最も画期的な生命科学技術」と高く評価されて来ましたが、2020年のノーベル化学賞にはこのゲノム編集の新手法を開発した二人の女性研究者が選ばれました。 ゲノム編集とは、その生物が持っている遺伝の情報を正に“編集”して「遺伝子の情報を書き換えることが出来る」技術ということで、容易に・正確に・高効率で「ゲノム編集」できる「CRISPR-Cas9」系は画期的な新手法と言えます。現在、この技術を応用して、作物の品種改良・新養殖魚の開発の他、様々な遺伝病の治療などの研究が進められつつあります。 このように新ゲノム編集技術は、科学発展と人類の幸福に大きく貢献するものと期待されます。その為、様々な生物種への適応、各分野の基礎研究や応用研究への適応、より効率的な技術の開発など更なる研究の進展も必要です。こうした中で、倫理的な基盤に立ってゲノム編集に関しての先端的研究を行い、その研究成果を社会に発信していくことは、バイオサイエンス分野の最先端を担う本学・長浜バイオ大学の重要な責務といえます。このような背景により本学・ゲノム編集研究所が開設されました。