博士課程前期課程 分子バイオ科学技術領域
高次の生命現象を分子レベルで解析することで、その基本原理や複雑な機能を根本的に理解し、これらをバイオ技術として生かすための教育・研究を行います。
生物の成り立ちを分子レベルで理解するために、遺伝情報の解析とその情報処理技術、ゲノム情報から蛋白質の機能予測およびその医療・創薬への応用技術、プロテオームやメタボロームなどの網羅的解析技術、遺伝子工学やケミカルバイオロジーなどの新しい技術と共に、外国語によるコミュニケーション技術や生命倫理・科学者倫理に関しての教育を行います。
この様な教育・研究を通して、生命現象に関する多くの命題に対して分子レベルでの研究に貢献でき、人類や地球環境のために役立つ応用技術を開発できる人材を育成します。
学内進学の動機
山本 想大 さん
博士課程前期課程
分子バイオ科学技術領域 1年
(滋賀・県立米原高等学校出身)
実験を通してさまざまな経験を積めるのが大学院でのメリットです。たとえば、実験を進める上で自分なりにスケジュールを立てれば計画性が身につきます。そして、精密さを要求される実験の操作では集中力が身につく。さらには結果に対して熟慮を重ね、研究室の先生や仲間とディスカッションすることで、考察力やコミュニケーション力も磨かれます。僕はもともとアトピー性皮膚炎だったことから、将来はアレルギーに関連する治療薬の開発に携わるのが目標です。堀部智久先生の研究室では、新規の薬剤評価系の確立をめざすなど、創薬に直接関わるご研究をされています。また、研究室の雰囲気がとても明るかったのも僕には好ましく思えました。現在はアトピー性皮膚炎に関与する炎症性サイトカインというタンパク質に着目し、深海エビやホタル由来の生物発光を用いた炎症性サイトカインの検出に取り組んでいます。そこから新規の薬剤候補化合物を見つけだす方向です。
梅本 さや さん
博士課程前期課程
分子バイオ科学技術領域 1年
(滋賀・県立虎姫高等学校出身)
進学を決めたのは4年次生の後期です。私は学生実験があまり得意なほうではなく、大学院に進学してきちんとした成果を残せるかとても不安がありました。それを研究室の指導教員の河合靖先生に相談したところ、「やってみないとわからない。そこで諦めるのはまだ早い」と背中を押してくださいました。私には将来、化粧品メーカーで研究開発職に就くという夢があります。できれば多種多様な肌の悩みと同じように、一人ひとりの悩みに個別に寄り添えるヘアケア剤を作りたい。そのためにはやはり学部卒の知識や技術だけでは物足りなさを感じます。現在は、タンパク質の構造変化を認識する蛍光プローブと呼ばれる化合物の開発に取り組んでいます。自分の手で思い通りの機能を持つ化合物を合成するということは、化粧品メーカーの研究開発職の仕事にも直結するものだと思います。本学の大学院での学びには無駄なものが一切なく、将来役立つスキルが身につく理想的な環境です。