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生物からのアプローチ ──角尾 愛美さん(細胞制御学研究室4年次生)

「生物」が好きで長浜バイオ大学に進学、
治らない病気を治せる未来に向けての挑戦

角尾愛美さんは高校生の頃から「生物」が好きで生命科学の研究職を志し、進路相談では恩師から「教授陣がとても優秀で、単科大学だから先生との距離が近くて学びやすいよ」と長浜バイオ大学を勧められました。

「私は祖父をがんで亡くしたことをきっかけに、『がんの原因を突き止めたい』と病理解明に興味をもつようになりました。でも、大学に入学してからは、がんよりもさらに研究の進んでいない神経変性疾患に関心が向くようになりました」。

神経変性疾患とは、アルツハイマー型認知症やパーキンソン病など、神経細胞がゆっくりと障害を受けて発症する病気の総称。残念ながらまだ原因のわからない難病で、中でも角尾さんは「前頭側頭葉変性症」という病気のメカニズムを、亀村和生先生の研究室で解明しようとしています。

研究室では、神経変性疾患のメカニズムを研究

「前頭側頭葉変性症の患者さんの脳の中では、FUS、EWS、TAF15というタンパク質が前頭葉の神経細胞に蓄積することが明らかになっています。これら3つのタンパク質は構造的にも似ていますが、なぜかEWSだけ蓄積する量が少ない。この理由を調べれば、病気のメカニズムの解明に一歩でも近づくのではと思います」。

現在、彼女は前頭側頭葉変性症の原因タンパク質の1つであるEWSだけに起こるO-GlcNAc修飾に注目。PCR法で修飾が起きる野生型と起こらない変異型の遺伝子を増幅し、EWSの蓄積にO-GlcNAc修飾の関わりがあるかどうかを調べようとしています。

研究は地道な作業の連続ですが、「中学時代は陸上で長距離選手でしたから(笑)。同じ作業も苦にならないし、むしろ好き。たとえ結果がでなくても、試行錯誤するのがまた楽しい!」という角尾さん。最近では「第42回日本分子生物学会」でポスター発表を行うなど、その功績が大きな舞台でも評価され、卒業後は大学院に進学して研究を続けることになっています。

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