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地域伝承野菜「尾上菜」の復活 と新品種「さいさい」の誕生! 地元での栽培開始に向け新挑戦

蔡 晃植教授(フロンティアバイオサイエンス学科)を中心に、2017年から始動した「尾上菜」復活プロジェクトが、新品種「さいさい」の作成と商品化に向けて本格栽培を開始しました。

長浜市湖北町尾上地区で伝統的に栽培されていたこの野菜は血糖値を下げる効果があり、地元では漬物や煮物として親しまれていました。しかし、生産農家の減少や尾上菜自体の雑種化などにより衰退していました。

復活プロジェクトでは地元で古くから親しまれていた「尾上菜」をブランド化し、地域の活性化を図ることをめざしています。2017年からの研究と取り組みを通じて、尾上菜の品質向上と新品種の開発に成功し、栽培から販売までを地域で行う6次産業化を達成しました。

今後は尾上地区やその他の場所で新品種「さいさい」を本格的に栽培し、これを用いた商品開発と販売を通して地域振興を促進します。

プロジェクトの進捗

  • 尾上菜の雑種化が認められたため、原種に近い形質を持つ尾上菜の自殖を繰り返し、遺伝的に同質なニアアイソジェニックラインを確立
  • 尾上菜の全遺伝子配列を決定し、自家不和合性の機構を解明
  • 長浜農業高等学校、滋賀県調理短期大学校、長浜市、一般社団法人バイオビジネス創出研究会との協力のもと、尾上菜の栽培と商品化に向けた様々な取り組みを実施
  • 本学で確立した複数のニアアイソジェニックラインを交雑させ、高品質のF1ハイブリッド種「さいさい」を作出 完全閉鎖型植物工場で「さいさい」を水耕栽培する方法を確立
  • 2022年に尾上未来委員会と一般社団法人バイオビジネス創出研究会、長浜バイオ大学とで「尾上菜栽培会」を立ち上げ、6次産業化にむけた取り組みを開始