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3年次生河原さんが淡海生物賞を受賞

アニマルバイオサイエンス学科3年次生の河原豪さんの調査報告書が、「淡海生物」第3巻(2022年3月発刊)に掲載されました。報告内容は「滋賀県における二ホンイシガメ肢欠損被害の発生」です。以前、イモリ玉に関する調査についてインタビューしました(爬虫両棲類学会報に学生の報告が掲載)が、今回の報告はインパクトが評価され淡海生物研究会より「淡海生物賞」が授与されたとのことで、再び河原さんにお話を伺いました。

ニホンイシガメは環境省のレッドデータブックで準絶滅危惧種に指定されている種です。滋賀県内の各地で肢を欠損した個体が複数確認されていることについての調査結果と考察で、アライグマによる被害の可能性が高いと推察されています。

河原さんによると、サンショウウオにも被害が確認されているとのことです。アライグマによる被害であることを確認するためには定点カメラでの観察が必要ですが、カメは行動範囲が広いため、調査は困難だそうです。また、手負いのカメは動きが鈍くなって再度被害に遭う可能性が高くなることや、カメは産卵時に手足を使うことから産卵への影響も大きいと考えられ、個体数の減に繋がります。

本学近辺の琵琶湖に繋がる河口付近でも肢欠損個体が確認されており、2日前に撮影したという写真を提供いただきました。地道な調査報告を積み重ね、県などが対策に動くことが期待されます。

河原さんは、琵琶湖博物館の展示パネルの原稿も一部担当するなど、引き続き活躍中です。