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ゲノム編集研究所開所記念講演会を開催しました

長浜バイオ大学ゲノム編集研究所開所記念講演会を2月28日に開催し、市民など約140名が参加しました。

2019年7月に開所したゲノム編集研究所は、大学の付属研究所としては初となるものです。2020年度ノーベル化学賞を受賞したゲノム編集技術「CRISPR-Cas9」が大きな注目を集める中、「ゲノム編集技術ってなに?なにができるの?~その現状とこれから~」をテーマに、動物・植物・水生生物の各分野で活躍する研究者が、実際の開発事例や、倫理的な課題と社会の中での進め方など、ゲノム編集技術が持つ可能性について解説しました。

アニマルバイオサイエンス学科の齊藤修教授が、ゲノム編集技術とはどういうものか、ゲノムやDNAといった用語からわかりやすく解説し、研究所の組織についても紹介しました。

近畿大学水産研究所の家戸敬太郎教授はマダイの養殖、農業・食品産業技術総合研究機構の土岐精一ユニット長はGABAリッチトマトや毒の少ないジャガイモなど農作物の品種改良について、ゲノム編集技術の利用方法を解説しました。

メダカを使った性決定遺伝子の探索への応用をアニマルバイオサイエンス学科の竹花佑介准教授が紹介し、大阪大学大学院医学系研究科の加藤和人教授が、ヒトゲノム編集の倫理的問題について解説しました。ゲノム編集技術の人への利用には課題も多く、これは科学者や研究者だけの問題ではなく、市民も一緒に考え、議論していくべき問題であると呼びかけられました。

身近な実例が多く挙げられ、ゲノム編集の現状と課題が整理された講演会となりました。市民からの質問も多く、質疑応答が活発に行われ、ゲノム編集に対する関心の高さがうかがわれました。