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人類的課題に挑む最先端の研究:中村肇伸先生

初期発生のメカニズムを紐解いて
未来の再生医療を築く

アニマルバイオサイエンス学科
中村 肇伸 先生

私たちのからだを構成する200種類に及ぶ細胞は、卵子と精子が融合してできるたった一個の受精卵から発生・分化してきます。遺伝情報を伝えるために、完全に分化した細胞である卵子と精子がひとたび受精を行うと、わずか数時間でからだのすべての細胞になりうる全能性を再獲得します。

これを「リプログラミング」といい、そこに関与する遺伝子や初期発生のメカニズムを解明すれば、品質の良いiPS細胞の量産化が可能になり、再生医療の実現に大きく貢献できると中村先生は考えています。最近では、卵子に含まれるPGC7というタンパク質が、遺伝情報を使用する際に行われるDNAの脱メチル化を阻害し、リプログラミングの過程で重要な働きをすることを明らかにしました。

この論文は権威ある英国科学誌『Nature』に掲載され、全世界約5000人のトップチサーチャーによる論文評価システム『Faculty of 1000』においても読むべき論文である「Must Read」にランキングされています。

中村 肇伸 先生