日 時:2012年6月26日(火) 15時20分〜16時40分
場 所:命北館4F中講義室5
テーマ:新しい植物ホルモンを探す
講 師:松林 嘉克 教授 (基礎生物学研究所 細胞間シグナル研究部門)
高等植物における短鎖分泌型ペプチドホルモンの中には、翻訳後修飾を受けることで本来の活性を示すものが少なくありません。そのため翻訳後修飾酵素遺伝子の破壊株の表現型は、その支配下にある修飾ペプチドホルモンの欠損を反映したものとなります。
例えば、チロシン硫酸化に関わる酵素(TPST)の遺伝子を破壊したシロイヌナズナ植物体(tpst-1)では、根端の幹細胞が維持されず、メリステム活性が顕著に低下します。こうした表現型に着目することで、新しいペプチドホルモンの存在が明らかになり、それらを探し出すことも可能になります。
RGF(root meristem growth factor)の発見を例に、ホルモン探索のおもしろさを紹介します。