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大学案内

2020年度 長浜バイオ大学入学式 学長式辞

 例年に比べ暖かかった長浜の冬に別れを告げるように、びわ湖を渡る風に梅や桜の香りが混ざるようになりました。本日ここに、日本全国から優秀で意欲にあふれた若者がここ長浜に集い、2020年度4月の長浜バイオ大学入学式を挙行できますことは誠に喜びに堪えないところであります。本日、めでたく長浜バイオ大学に入学されたバイオサイエンス学部生は、フロンティアバイオサイエンス学科107名、臨床検査学コース28名、メディカルバイオサイエンス学科 73名、アニマルバイオサイエンス学科57名の総計265名であり、本学大学院におきましては、バイオサイエンス研究科博士課程前期課程34名、博士課程後期課程1名となります。また、バイオサイエンス学部に入学された学生の中には海外からの留学生も含まれており、意欲にあふれた優秀な若者が、日本全国、世界各地から長浜バイオ大学に集ってくださったことに感謝しております。私は、大学進学に向けて、あるいは、大学院進学に向けて一生懸命取り組んできた新入生の皆様、ならびにご家族・ご関係者の皆様に対し、本学教職員、在校生を代表して、心よりのお祝いと歓迎のご挨拶を申し上げます。

 2020年度の入学式は新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の防止と、皆様の健康を守るため、保護者、関係者の皆様、ご来賓の方々の出席をお断りし、消毒とマスク着用や座席を離しての設置、短時間の入学式の挙行などの措置を講じて挙行しております。大学での学びをスタートする重要な入学式をこのように変更せざるを得なかったのは、断腸の思いでありますが、これも感染拡大の防止のために必要な措置だと思い、ご理解いただきたいと思います。

 長浜バイオ大学は、世界トップレベルのバイオサイエンス研究を行うこと、高い研究を基盤とした質の高い教育を行うこと、地域の中核大学になることを目的としている大学です。現在、長浜バイオ本学は、従来の生物分野だけにとどまらず、有機化学、無機化学、コンピュータ科学、環境科学、物理化学、臨床検査学などの幅広い分野を備えたバイオの総合大学として発展すると共に、社会に貢献しうるバイオサイエンスの新知見を長浜の地から発信する知の拠点としても成長しました。これは、実際に、昨年度に生命科学分野において最も権威のある論文とされている「ネイチャー」への教員あたりの掲載率が全国で2位であることや、リクルートカレッジマネージメントにおいて先進的な大学トップ15に選ばれることなどからも証明されております。

 また、教育の質の高さを証明する事象としては、長浜バイオ大学の全ての学科で行われている教育プログラムが、JABEE認定されていることがあげられます。JABEE認定を受けた大学は、そこで行われている教育活動の質が国際的にも満足すべきレベルにあることと、その教育成果が技術者として活動するために必要な最低限度の知識や能力の養成に成功していることが担保されます。そのため、JABEEプログラムを終了した学生は、国際的に見ても十分に高いレベルの技術と知識を取得した学生であることが認められ、国家資格の中では司法書士と同レベルであると認定される技術士の受験資格を持つ、「技術士補」という国家資格を無試験で得る権利を取得します。本学が認定された生物工学分門では、全国で6プログラムしかJABEE認定されておりませんが、そのうちの3プログラムが本学のプログラムであることも申し添えたいと思います。

 さて、皆様は、なぜ長浜バイオ大生になったのですか。高度なバイオの知識と技術を習得し、有能なバイオ研究者・技術者になるためと答える学生や、多くの友人を得て、自分磨きをしたいと答える学生、また、自分の学力で入学が可能な大学だったのでと答える学生もいることでしょう。私は、現時点で長浜バイオ大学に入学した目的はどのようなものでも良いと思います。ただ、長浜バイオ大学に入学したのならば、ここで「なすべきこと」があります。長浜バイオ大学は、世界トップレベルのバイオサイエンス研究を行う場であり、高度な知識と社会的な教養を身に付ける場であります。そのため、長浜バイオ大生となった以上、本学での教育と研究を通して、高い知識と社会的な教養、自ら問題を発見し問題を解決できる能力を培って頂かなければなりません。長浜バイオ大学は、学習効果を最大限に発揮できる教育システムと設備、世界レベルの教授陣、JABEE認定制度をそろえて皆様をお迎えしております。

 大学生活では多くの自由が保障されており、大学においてどのように学ぶか、または学ばないかという選択すらも本人に任されております。しかし、このような大学での自由は、学生個人の大きな責任の上にのみ成り立つということを新入生の皆様は忘れないでいただきたいと思います。大学での学びは、高校までとは大きく異なります。高校では、教科書に沿って勉強し、問題の正解を習い、この問題の理解度をテストで確認しています。一方、大学では、高いレベルの知識と教養を習得すると共に、自分で課題を見つけ、回答を模索しなければなりません。新入生の皆さんは、これまですべての問題に正解があるという前提で勉強してきたと思いますが、大学では答えが用意されていない問いにどのように対応するかが求められます。私は、ここに集ったすべての学生諸君が、自ら学び、答えが用意されていない問いに積極的に取り組み、ゲノム編集や人工知能、ビッグデータ等を含む新しい知識と技術の習得にも積極的に取り組むことで、サイエンスイノベーションによって劇的に変化する新時代を牽引できる社会のリーダーとして活躍できる人材に育ってほしいと願っております。特に、今年は新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、通常とは異なる形で講義や実習を進めざるを得なくなると思われ、大学での学びにおいて、学生個人の勉学に対する意識を高め、自分を律して勉学に励む必要があることを申し添えます。

 多くの学部新入生の皆さまにとっては、これから始まる学部生としての4年間は、自由に学問や芸術・スポーツなどに取り組み、一生の宝となる貴重な人間関係を構築することのできる最後の機会となります。また、大学院に入学された皆様においては、未知の問いに答えを見つけていくことで、新たな知の財産を人類の福祉と幸福のために生かすことができる重要な期間になると思います。新入生の皆様にとってこのように貴重な4年間、または大学院での期間が実り多いものとなることを祈念して、私からの式辞とさせていただきます。

2020年4月1日  長浜バイオ大学 学長 蔡 晃植