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化学からのアプローチ──高橋 磨由さん(蛋白質機能解析学研究室4年次生)

人の役に立つ薬の開発を夢に描いて、
「化学」の知識を生かした構造解明

高橋磨由さんは、体調を維持するために服薬が必要な家族が身近にいたことから、次第に医薬品への興味が湧いてきたそうです。将来は「薬の観点から医療に携わりたい」と考えて、高校の理科は薬の学びには欠かせない「化学」を選択しました。

当初は薬学部をめざしていましたが、“薬を創る”という道にも魅力を感じて長浜バイオ大学に入学。3年次の研究室配属では、「せっかく薬の開発に携わるのなら、品質管理や安全性に配慮したものを創りたい。そのためにも高度な分析機器が扱える研究室にしよう」と、分析機器の開発に着手する長谷川慎先生の研究室を選びました。

新たな創薬の鍵を握るシデロフォアの構造解明に挑戦

「今は微生物が分泌するシデロフォアの研究を行っています。シデロフォアとは、微生物が鉄不足に陥った時、外部の鉄分を体内に取り込むために放出する物質のこと。このシデロフォアが鉄を取り込む輸送経路を医薬品に応用すれば、他の組織や細胞を傷つけず、病原菌にだけ作用する薬を創れるかもしれません」。

そこで高橋さんたちの研究チームは、海洋生物が保有する細菌をターゲットにシデロフォアを分泌する種を同定。さらに複数の分析機器を用いて、その細菌が放出するシデロフォアの構造や化学式を同定しようとしています。

「現在はまだ細菌を培養している段階ですが、私たちが見つけた細菌が将来、新たな薬の開発につながるかもしれない。そう考えると、今から検証するのがすごく楽しみでワクワクしています」。

卒業後は、化粧品・医薬部外品メーカーの薬事職として採用が内定している高橋さん。今まで培った創薬に関する知識を最大限に生かしながら、申請業務や承認取得、製品パッケージのチェックなどを行う予定です。

→蛋白質機能解析学研究室を覗いてみる