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コンピュータバイオサイエンス学科での学び

難解な科学を、易しく解きほぐす

01. バイオ医療分野で活躍できる情報技術者を育成します

 バイオ情報産業、医療情報産業で活躍できるIT技術者を育成する。それが私たちの学科の役割です。
 バイオ情報産業は、ゲノム情報解析や医薬品の臨床開発・臨床試験などを専門的に行う業界です。また医療情報産業は、病院の電子カルテの開発や検査画像・検査数値などの解析を担っています。この2つの産業は相互に関連性が強く、多くの点で地続きになっています。
 どちらの産業も将来性が大いに期待されています。政府の成長戦略の中心に位置していると言っても過言ではありません。しかし技術者が不足しています。専門的に人材を育成する大学がほとんど存在しないためです。
 本学科は2009年の開設以来、一貫してこれらの分野に携わる人材の育成を進めてきました。そして教育内容を十分に吟味し、より効果的な人材育成を進めるために、昨年度から2つの専門コースを設けました。日本で唯一、バイオ情報技術者・医療情報技術者の育成を目指したユニークな学科づくりを進めているところです。
 将来が約束されている成長分野で技術者として活躍したい学生、安定した職業を得たい学生、新しいことに挑戦したい学生を、広く募集いたします。

02. 2つの専門プログラム
情報生物学専門プログラムと医療情報技術専門プログラムに分かれます

 本学科では2年次生前半から情報生物学専門プログラムと医療情報技術専門プログラムに分かれて、それぞれの専門教育を行います。情報生物学専門プログラムはゲノム解析や生体高分子解析など、いわゆるバイオインフォマティクス分野の授業を多く配置しています。また医療情報技術専門プログラムは、医療情報学や情報工学、データベース、プログラミングなどの授業が多いのが特徴です。
 情報生物学専門プログラムを選択した学生は、主にバイオ情報産業への就職を目指すことになります。一方、医療情報技術専門プログラムを選んだ学生は、医療情報産業への就職を目指します。

03. きめ細かい教育を行います

 本学科の入学定員は40人。それに対して常勤教員が8名、助手2名、研究員が2名と、かなり充実しています。すべての実習が2名以上の教員によって行われています。加えてほとんどの実習で1名ないし数名のティーチング・アシスタント(大学院生)が配置されています。
 学生に対して教員数が多いため、よく目が行き届いています。途中でつまずきそうな学生には、教員が早目に面談を行うなどして、最後まで授業についていけるようにアドバイスや勉学のサポートを行っています。

04. 基本情報技術者資格の取得をサポートします

 基本情報技術者資格は、経済産業省が管轄する国家資格のひとつです。いまやIT企業への就職になくてはならないものになりつつあります。
 本学科では通期の講義と実習を通して資格試験に必要な知識を教えますが、それだけでは足りません。そのためこの試験にターゲットを絞った受験講座を用意しています。
 試験は年2回(4月、10月)。これに合わせて夏休み(9月)と春休み(3月)に集中講座を行います。それぞれ2週間(実質10日間)、45時間にわたる受験のための特訓です。
 基本情報技術者は、1回で合格することが難しく、ふつうは2〜3回目で合格すると言われています。本集中講座は、資格取得まで何回でも受講することができます。また合格者が増えてくれば、さらに上の資格である応用情報技術者を目指した集中講座を開講する計画もあります。

05. 国際交流を進めています

 専門知識・技術を習得するだけでは、これからの世界を生き抜くことは難しいでしょう。グローバル化が叫ばれる今日、英語力の向上は欠かせません。しかし単に授業時間を増やせば英語が身につくというわけではありません。英語を使わなければならない環境に身を置くことこそが、もっとも効果的な教育です。
 本学科では2年前から海外の大学と積極的に交流を進めています。現在、中国の瀋陽にある中国東北大学、タイのバンコクにある国立カセサート大学との間で交換留学生の協定を結んでいます。毎年数名の学生が、数か月間の短期留学で本学科にやってきます。留学生と日本人学生とのコミュニケーションは、英語で行います。留学生には英語の授業にも参加してもらい、本学科の学生ができるだけ彼らと接する機会を増やすようにしています。
 日本から海外の大学に行く機会も増やそうとしています。今年の夏休みには、本学の学生たちがカセサート大学を訪問するスチューデントツアーを企画しています。バンコク市内の別の大学(国立ラジャマンガラ大学、タイ日工業大学)とも交流協定を進めています。来年度からは本学科の学生の訪問先がさらに増える見込みです。
 そのほかベトナムや台湾との大学とも、交換留学やスチューデントツアーの協定を模索しているところです。

06. 就職活動を強力に支援しています

 本学科の就職のターゲットはバイオ情報企業と医療情報企業です。そこで3年次生の後期に複数の有力企業から人事担当者を招き、SE講座や就活講座を行っています。本格的な就職活動を前にして、学生たちの意識を高めることが目的です。また大学推薦、学科推薦等を受けていただける企業の開拓を進めています。
 4年次生になってからは、大学の就職・キャリア担当と本学科の教員が一体となって、学生の就職活動をサポートしています。学科ができてまだ日が浅いため、OB/OGは決して多くありません。しかし卒業生に声を掛け、有志を募って後輩たちの相談に乗ってもらったり、体験談を語ってもらったりしています。
 私たちは就職内定率100パーセント、そのうちでバイオ情報・医療情報産業に進むものが6割以上を占めることを目標に、着実に手を打っているところです。

コンピュータで医薬品を作るための技術を開発 ─ コンピュータバイオサイエンス学科は、2012年から文部科学省が推進する「創薬等支援技術基盤プラットフォーム」事業に採択され、医薬品設計支援のコンピュータシステムの開発を進めています。

 現在、日本の医薬品貿易は2兆円近い赤字なのを知っていますか?「創薬等支援技術基盤プラットフォーム」事業は、この問題を解決するための国家プロジェクトです。新しい医薬品の設計や開発の技術基盤を国として整備することで、日本の医薬品開発力を将来に向けてパワーアップします。
 病気の原因になるDNAやタンパク質などは、体の中で巨大な分子機械(「超分子」とよばれます)を作って働きます。多くの場合、病気はそのような超分子が故障することで起こることが分かってきています。そこで、長浜バイオ大学の研究チームでは8人の教員が協力して、超分子の形や働きを、コンピュータを使って予測するシステムを開発しています。このコンピュータシステムで、実験的に構造を調べることが難しい超分子の働きを予測し、これまでにない新薬開発の支援をすることが目標です。
 学生諸君は、実習や卒業研究を通じて、このプロジェクトに参加することができます。日本の創薬を基礎から支えるコンピュータバイオを学んでみませんか?