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バイオ実験夢チャレンジの実験成果を発表

IMG_28731月29日、「バイオ実験夢チャレンジ」の実験結果発表会が開催され、本科目に参加している9名の学生が1年間の実験成果を発表しました(発表タイトルと氏名は下記を参照)。

「バイオ実験夢チャレンジ」は、「一般教育プログラム」のなかで、1年次生を対象にした「自立的教育ユニット」の科目です。大学に入学したての1年次生が、実験テーマを自分で見つけ、教員や先輩学生によるSA(ステューデント・アシスタント)の支援を受けながら実験計画を立て、1年間にわたって実験に取り組む「アクティブ・ラーニング」の一つであるユニークな科目として、位置づけられています。

発表テーマをいくつか簡単に紹介すると、植物が身を守るために天然化学物質を放出して他の生物の成育や増殖を抑制する「アレロパシー」をセイタカアワダチソウの根に着目して、ソバカイワレの発芽に及ぼす影響を調べた実験、虫歯の原因となるミュータンス菌の増殖をカテキンが抑制することを見出した実験など、意欲的なテーマと発表がありました。中でも琵琶湖の固有種であるビワマスの腸内細菌叢を次世代シークエンサーを使って解析する、ビワマスのメタゲノム解析はとりわけユニークで意欲的なテーマです。残念ながら、データをとりまとめる時間不足で、今回の発表ではその成果は一部に留まりました。いずれにしても、研究テーマを議論したり論文を読んだりと、1年次生にとっては貴重な経験の場を提供することができたと指導教員は考えています。それとともに、全員が何がしかの結果を出しており、極めて限られた時間の中で、良くやったというのが実感だとのことです。

なお、最優秀賞には、木材腐朽菌からセルロースを糖に分解するセルラーゼを見出した河上悠太郎君(バイオサイエンス学科1年次生)、優秀賞は、幼生メダカをエストラジオール処理により、遺伝的には雄でありながら外見的には雌のメダカを創成(性転換)することに成功した河内琢人君(同1年次生)、プレゼンテーション賞は、マウスの胎児由来上皮細胞を分離し、薬剤透過性実験系を作りあげた山田将太君(コンピュータバイオサイエンス学科1年次生)がそれぞれ選ばれました。

発表タイトルと氏名(発表順):
1. ミジンコの休眠卵の再生及び、休眠卵と生体に含まれるタンパクの検出(バイオサイエンス学科2年次生 永田利光君)
2. ヘイケボタルのルシフェラーゼ遺伝子の解析(バイオサイエンス学科1年次生 岩田光将君)
3. 朽木付着菌におけるセルラーゼ産生の検出及び種の同定(バイオサイエンス学科1年次生 河上悠太郎君***)
4. エストラジオールを用いたメダカの性転換実験(バイオサイエンス学科1年次生 河内琢人君**)
5. 植物とアレロパシーの働き(バイオサイエンス学科1年次生 櫻内瑶子さん)
6. 明条件、暗条件でのプラナリアの分裂について(バイオサイエンス学科1年次生 相和真理奈さん)
7. ビワマスメタゲノム解析(バイオサイエンス学科1年次生 坪内良憲君)
8. ミュータンス菌の増加速度と抑制物質(アニマルバイオサイエンス学科1年次生 森本弘暉君)
9. 上皮細胞のα—リポ酸物質透過実験(コンピュータバイオサイエンス学科1年次生 山田将太君*)
***最優秀賞、**優秀賞、*ベストプレゼンテーション

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