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新蔵教授の研究テーマがJSTのさきがけに採択されました

 本学バイオサイエンス学科の新蔵礼子教授の研究テーマが、日本学術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(さきがけ)の平成24年度新規研究課題に採択されました。

 この事業は、社会・経済の変革につながるイノベーションを誘起するシステムの一環として、我が国が直面する重要な課題の達成に向けた基礎研究を推進し、科学技術イノベーションを生み出す創造的な新技術を創出することを目的としたものです。新蔵先生が採択された研究領域は、「生体における動的恒常性維持・変容機構の解明と制御」で、先制医療や個々人にとって最適な診断・治療法の実現に向けての生体の動的恒常性の維持・変容機構の統合的解明と複雑な生体反応を理解・制御するための技術の創出を戦略目標としており、234件の応募から10件の採択という難関をクリアしたものです。

 今回採択された新蔵先生の研究テーマは、「腸管IgA抗体による腸内細菌制御機構の解明と応用」です。腸内細菌叢のバランスの崩れが多くの病気の原因になることが最近分かってきましたが、腸内細菌叢をコントロールするのに重要な役割を果たす、リンパ球により作られるIgA抗体が、どのように腸内細菌に働きかけているかは良く分かっていません。そこで新蔵先生は、IgA抗体が腸内細菌にどう働くかに着目し、より良い腸内環境を作るための有用なIgA抗体を明らかにしようとしています。この研究の進展により、有用なIgA抗体を口から飲むことで、難病に指定されている潰瘍性大腸炎などの病気の治療薬の開発やいろいろな疾患の予防への応用を目指しています。

 今回の採択を受けて新蔵先生は、「今回の研究テーマのアイデアは、少なくとも5年以上前からずっと温めてきたものです。今回、JSTから研究資金を頂けることになり、思う存分研究できるようになり、とても幸せです」と語っています。

平成24年度新規採択研究代表者・研究者および研究課題の概要
生体における動的恒常性維持・変容機構の解明と制御

【教員の紹介】 新蔵 礼子