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大学院生の黒木麻湖さんの研究成果が『ケミカルセンス』の表紙を飾りました

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 本学大学院生の黒木麻湖さん(バイオサイエンス研究科博士課程後期課程1回生・動物分子生物学研究室〈齊藤修教授〉所属の研究成果が、英国学術雑誌『ケミカルセンス』(Chemical Senses)のハイライト論文に選ばれ、表紙に掲載されました。

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 動物が感じる味覚の中には、お茶のカテキンなどの物質によって起こる渋味の感覚があります。これまでこの渋味の感覚がどのような仕組みで生じるのか殆ど明らかになっていませんでした。黒木さん・齊藤教授のグループは、生理学研究所・神経機能素子研究部門と共同で小腸の内分泌細胞株STC-1が、緑茶カテキンのEGCGに反応することを発見、そのセンサーの実体がTRPA1という陽イオンチャネルであることを見出しました。このチャネルは、口の中の感覚神経にも発現したことから正に渋味の感覚に関与していると考えられます。カテキンを初め人体に有用な成分の中には渋味を呈する物質も多いことから、本研究が進展して渋味の実体が更に解明されてくれば、今後様々な機能性食品や薬品の開発に貢献することが期待されます。

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Green Tea Polyphenol Epigallocatechin Gallate Activates TRPA1 in an Intestinal Enteroendocrine Cell Line, STC-1 Chem. Senses (2012) 37(2): 167-177 first published online September 2, 2011