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山本章嗣教授と大学院生小笠原裕太さんがPNASに論文掲載

 機能不明であった、メンブレントラフィック関連タンパク質Sec16Bが小胞体からペルオキシソームへの小胞輸送に関与することを解明した研究論文が、米科学誌『PNAS』(8/2付)に掲載されました。
 この論文は、東京薬科大学(生命科学部、
谷佳津子教授ら)との共同研究によるもので、Sec16Bが小胞体からペルオキソソームへの膜タンパク質の輸送に働いていることを遺伝子工学、蛍光イメージング、免疫電子顕微鏡を用いた定量的解析を用いて証明しています。
 長浜バイオ大学は免疫電子顕微鏡的解析を担当しました。Sec16Bは小胞体に局在し、ペルオキシソームへの輸送小胞の形成を調節していると考えられ、RNAiによりSec16Bをノックダウンさせるとペルオキシソーム膜タンパク質Pex16のペルオキシソームへの輸送が阻害されると同時に、ペルオキシソームが伸張して異常な形態を示すことが示されました。ペルオキシソームは脂質等の酸化などに働く重要なオルガネラでありますが、その形成機構には未解明の部分が多く残されています。Sec16Bの機能の解明により、ペルオキシソームの形成にどのように小胞体が関与しているかなどその解明が進むと期待されます。

山本章嗣先生提供画像.JPG

Sec16Bのノックダウン(B)によるペルオキシソーム(矢印)の伸長。免疫電子顕微鏡法でペルオキシソームタンパク質膜のPMP70を検出した(小粒子が反応を示す)。バー、500 nm