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コンピュータバイオサイエンス学科 / 学科教員の最近の研究成果

白井 剛先生


在のアナゴにある、形も機能も違うが同じ祖先をもつ、2つの抗体のような働きをするたんぱく質の構造を解析し、進化の過程で失われたたんぱく質の立体構造
を再現することに、世界で初めて成功しました。この研究論文は、構造専門科学誌『Structure』に掲載されました。これは現在のたんぱく質の構造を
基に、どの原子がどのようにつながっていたのかという、失われたたんぱく質の立体構造を計算で求め、それを実験で再現し甦らせたものです。まだアナゴの一
つの分子を再現しただけですが、この手法を使えば、失われた生物を化石ではなく丸々再現することも夢ではなくなり、人間が改変する技術であるたんぱく質工
学の発展に大きく寄与する研究成果といえます。

永田 宏先生


師不足が深刻になる中で、大学の医学部の定員が大幅に増やされましたが、それにより将来的に医師の需給がどうなるのかをコンピュータでシミュレーション、
その結果が医学系専門誌に掲載される予定です。この結果の考察から、あまりにも細分化している医師の専門分野やわかりにくい医療費など、現在の医療制度に
関わる問題点が浮き彫りになっています。

こうした医療制度の抜本的な解決策として期待されているのが、全国版電子カルテ「EHR」の開発です。これは、クラウドコンピューティングでネット上に電子カルテを構築するもので、厚生労働省の研究班の一員として、その実現に向けた研究を進めています。

池村 淑道・和田 健之介先生


村先生を指導教員に、ゲノム解析のソフトウエア開発の和田健之介先生、ウイルス学の伊藤正恵先生、ゲノム配列解析が専門の阿部貴志先生の4人の共同指導
で、大学院生・岩崎裕貴さんを筆頭著者とする、インフルエンザウイルスのゲノム配列変化の予測についての研究論文が、ゲノム関係の国際誌
『DNAResearch, Vol.18,
125-136(2011)』に掲載されました。独自に開発した情報解析手法を用いたゲノム解析により、季節性ヒトインフルエンザウイルスの従来株と新型
インフルエンザ株、鳥や豚インフルエンザウイルス株などの違いを比較し、新型インフルエンザ株が従来型ヒト季節性株に近づくように変化している規則性とそ
の要因を発見したもので、未来予測にも役立ちます。ソフトの設計仕様の限界を遙かに超えた大規模計算をするので、「私も非常に刺激を受けます」と和田先生
は話しています。