長浜バイオ大学アニマルバイオサイエンス学科の齊藤修教授が共同研究で研究を進めているオオサンショウウオについて、滋賀県東部の河川で交雑個体が確認されました。
【概 要】
【詳 細】
令和6年7月10日、滋賀県東部を流れる犬上川で釣りをしていた方から、「川でオオサンショウウオを見かけた」という情報が琵琶湖博物館に寄せられました。その後も当館や近隣の自治体に、オオサンショウウオ類の目撃情報が複数届きました。 そこで、8月3日に琵琶湖博物館の学芸員が現地で目視調査を行ったところ、川の中にオオサンショウウオ類がいることを確認しました。その見た目の特徴が在来種と外来種の交雑個体に似ていることが分かったため、近畿地方環境事務所と協議の上、8月10日に琵琶湖博物館、滋賀のオオサンショウウオを守る会、長浜バイオ大学といった対応可能な主体が連携して、文化財保護法および外来生物法を遵守したかたちでこのオオサンショウウオ類を捕獲しました。捕獲した個体は、全長134 cm、体重17.16 kgと非常に大型のもので、DNA分析の結果、オオサンショウウオとチュウゴクオオサンショウウオとの交雑個体同士がさらに交雑した個体(F2)であることが確認されました。 これまでの聞き取りや文献によると、滋賀県東部ではオオサンショウウオの確認・目撃例があるものの、犬上川での確認例は一度もありませんでした。このことから、今回発見された個体は人為的に他の場所から持ち込まれ、放流された可能性が高いと考えられます。このような採集事例は、全国的にもまだ数少ないため、捕獲した個体は今後の研究に役立てるべく、琵琶湖博物館の標本として保管する予定です。
【お問い合わせ先】
(今回の調査内容・オオサンショウウオのこと・写真について) 滋賀県立琵琶湖博物館 研究部担当学芸員 金尾滋史、企画・広報営業課 鈴木隆仁 Tel: 077-568-4811 E-Mail: info@biwahaku.jp (DNA分析について) 長浜バイオ大学 バイオサイエンス学部 アニマルバイオサイエンス学科 教授 齊藤 修 Tel: 0749-64-8100 E-mail: o_saito@nagahama-i-bio.ac.jp 滋賀県のオオサンショウウオを守る会 水戸 直 E-Mail siga.oosannmamoru@gmail.com