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第203回バイオセミナーのご案内(10/24)

第203回バイオセミナーは、九州大学基幹教育院 大学院システム生命科学 教授の田村 茂彦 先生にご講演いただきます。田村先生のご専門は、分子細胞生物学です。
先生方、大学院生の皆さんをはじめ、学部学生の皆さんも、ご専門の研究分野を問わず多数ご参加ください。

日 時:2023年10月24日(火)15時20分~16時40分
会 場:命北館4階 中講義室6
演 者:田村 茂彦 先生(九州大学基幹教育院 大学院システム生命科学 教授)
演 題:「ペルオキシソーム形成因子Pex14が担う膜透過輸送とその機能制御」
要 旨
 ペルオキシソームは極長鎖脂肪酸のβ酸化、胆汁酸や抗酸化作用を有するプラスマローゲンの生合成などを含め多くの重要な代謝機能を有し、その障害はペルオキシソーム欠損症と呼ばれる遺伝性の致死的疾患をもたらします。このようにペルオキシソームは生体機能にとって不可欠なオルガネラとして知られていますが、その形成や機能制御機構の全容およびその障害による欠損症の発症メカニズムなどの詳細は未だ明確にされていないのが現状です。本セミナーでは、ペルオキシソーム欠損症の病因遺伝子(PEXs)解明からペルオキシソーム形成を担う因子(ペルオキシン)を同定してきた背景を解説するとともに、ペルオキシソーム内へのタンパク質移行を担う膜透過輸送装置の主要な構成因子であるPex14に焦点を合わせ、膜透過輸送の分子機序、さらには細胞環境に応答してペルオキシソーム代謝酵素の輸送や再配置を制御する分子メカニズムについて最新の知見を交えながらその概要をお話します。