×

第199回バイオセミナーのご案内(6/27)

第199回バイオセミナーは、九州大学名誉教授で、今年度より長浜バイオ大学客員教授に着任された 石野 良純先生にご講演いただきます。
先生方、大学院生の皆さんをはじめ、学部学生の皆さんも、ご専門の研究分野を問わず多数ご参加ください。

日 時:2023年6月27日(火)17時00分~18時20分
会 場:命北館4階 中講義室6
演 者:石野 良純 先生(長浜バイオ大学客員教授・九州大学名誉教授)
演 題:「クリスパー ~その発見からゲノム編集技術への応用まで~」
要 旨
 演者が大学の研究室に所属して研究を始めた頃、「はさみ」の役目をする制限酵素や「のり」の役目を果たすDNAリガーゼ、DNA鎖を合成するDNAポリメラーゼなどのDNA関連酵素を駆使して、試験管内で遺伝子を切り貼りして組換えDNAを作製し、それを生きた細胞に導入する遺伝子工学技術が利用できるようになり(1980年ノーベル賞)、人類にとって有用な生理活性物質が遺伝子組換え技術によって人工的に作れるようになった。研究者の入り口にいた演者は大いに魅了された。1988年に耐熱性のDNAポリメラーゼを用いたPCRが実用化され(1993年ノーベル賞)、遺伝子操作は圧倒的に簡便になった。そして、ゲノムDNA上の特定の遺伝子を人工的に置換、削除、挿入できる実用的な方法が開発され、「ゲノム編集」の時代が来た。演者はこの技術開発に利用されたCRISPRを発見し1987年に発表した。本セミナーでは、CRISPRがどのようにしてゲノム編集に利用されるようになったのか、その歴史を紹介し、この技術の現状と発展について概説する。