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第193回バイオセミナーのご案内(11/22)

第193回バイオセミナーは、国立遺伝学研究所 分子生命史研究室 助教の川口茜先生にご講演いただきます。川口先生は本学のバイオサイエンス学科卒業生です。
先生方、大学院生の皆さんをはじめ、学部学生の皆さんも、ご専門の研究分野を問わず多数ご参加ください。

日 時:2022年11月22日(火)15時20分~16時40分
会 場:命北館4階 中講義室6

演 者:川口茜先生
    (国立遺伝学研究所 分子生命史研究室 助教)
演 題:「アホロートルの巨大染色体の転写制御から再生四肢再生能力を紐解く」
要 旨:脊椎動物の総遺伝子数は種間でほぼ変わらない一方で、それをコードするゲノムサイズは種間で大きく異なる。例えば、ヒトの約3.2Gbのゲノムサイズに対して、有尾両生類に属するアホロートルはその10倍の32Gbの巨大ゲノムを持つ。ゲノムサイズの違いはゲノムの三次元立体構造や相互作用スケール、およびそれらに伴う遺伝子発現制御への作用、さらには細胞分裂期には娘細胞への正確な染色体分配を保証する特異的な機構が予想されるが、その一連の制御機構は未だ知られていない。本演題では、アホロートルの巨大なゲノム三次元構造制御の視点から、ゲノムの高次相互作用、転写単位の構成など、ヒト、マウスと比較しながら垣間見えてきた相違点について議論する。最後に有尾両生類特有の高い器官再生能力を可能にする転写制御機構についての未発表データを織り交ぜながら、「アホロートルはどうして失った腕を過不足なく再生できるのか?」という生物学者を魅了してやまない疑問について考察を加えたい。