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第192回バイオセミナーのご案内(10/25)

第192回バイオセミナーは、京都大学大学院 生命科学研究科 准教授の三好知一郎先生にご講演いただきます。
先生方、大学院生の皆さんをはじめ、学部学生の皆さんも、ご専門の研究分野を問わず多数ご参加ください。

日 時:2022年10月25日(火)15時20分~16時40分
会 場:命北館4階 中講義室6

演 者:三好知一郎先生
    (京都大学大学院 生命科学研究科 統合生命科学専攻 遺伝機構学講座 准教授)
演 題:「 “動く遺伝子” LINE-1レトロトランスポゾンの動態制御メカニズム」
要 旨:我々のゲノムのおよそ45%程度は、トランスポゾンと呼ばれる種々の動く(=転移)DNA配列に由来する。この中でもLong Interspersed Element-1 (LINE-1またはL1)とよばれる配列は、転写された自身のRNAを逆転写することでゲノム上を転移するレトロトランスポゾンである。長期的な視点で捉えると、LINE-1の転移は集団のゲノム多様性を促進しときに進化の原動力ともなるが、短期的にはがん化などの重篤な疾患原因にもつながる。このように我々のゲノム形成に密接に関与しているにも関わらず、どうのようにLINE-1がゲノム上を転移するのか、その分子機構の解析は多くの困難を伴い、今なお不明な点が多く残されている。
 本セミナーでは特に、LINE-1を制御する宿主タンパク質に着目して得られたこれまでの知見を紹介し、そこから予測されるLINE-1の転移に関わるDNA修復経路、またはレトロウイルスだけでなくLINE-1といったレトロトランスポゾンをも抑制する生体防御機構システムについても議論したい。