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3年次生河原さんのイシガメに関する報告が爬虫両棲類学会報に掲載

アニマルバイオサイエンス学科3年次生の河原豪さんの調査報告書が、「爬虫両棲類学会報」(2022年5月発刊)に掲載されました。「二ホンイシガメの生息環境における魚巣ブロックの役割」というものです。

魚巣ブロックとは、主に魚類の生息や避難場所として人工的に川岸に設置されたブロックです。ブロックの中には空洞が設けられており、生きものは水中から内部に入ることができます。河原さんは、2018年から滋賀県南部の2河川に生息するニホンイシガメの捕獲調査を行っていて、地元の小・中・高校生の協力も得ながら、データを集約しているそうです。

イシガメは陸上で産卵するため陸の環境は必須ですが、アライグマやカラスなどの外敵に見つかるリスクも高くなります。魚巣ブロックを利用することで、日光浴ができたり、捕食者からの発見のリスクが軽減されたりする一方、陸を利用する機会が減って産卵に影響が出て、個体数密度低下の一因になっている可能性もあるということです。捕獲調査では個体識別も行っており、甲羅の模様、キール(甲羅にある筋状の突起)の状態、傷などで判断するそうです。地道で根気の必要な調査ですが「こうやって報告としてまとめられてよかった」と河原さんは話しています。