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「長浜学びの実験室」通信(2021年6月)

6月の「長浜学びの実験室」は、毎年多くの小学校との間で実験講座を行います。今年度も長浜市内の小学校の60%にあたる14校の小学校と21回の講座が予定されています。長浜市内の小学校には1学年5クラスもある大規模校だけでなく、1学年10~20名の小規模校もありますので、小規模校同士が合同実施することもあります。
今月は2つの実験講座の様子を紹介します。一つ目は5年生対象の「魚のたんじょう」、もう一つが6年生対象の「植物のからだのはたらき」です。

小学5年生講座「魚のたんじょう」

この講座では、双眼実体顕微鏡を使って、3つの生き物について4回の観察を行いました。

児童は、双眼実体顕微鏡の使い方を学んでから、最初に「ブラインシュリンプ」の観察に取り組みました。「ブラインシュリンプ」は、この講座の前日にそれぞれの小学校で卵をふ化をさせてこの実験室へ持ってきたものです。児童は、卵やふ化途中のもの、幼生などの観察を行いました。

次に、メダカの卵の様子を観察しました。「長浜学びの実験室」で育てて産卵させたメダカの卵を、産卵したその日(1日目)、産卵後2日目、4日目、7日目、10日目の順に双眼実体顕微鏡で観察し、卵の中がどのように変化していくかをスケッチしました。

3つ目は、「アフリカツメガエル」のオタマジャクシのからだの様子を観察しました。「アフリカツメガエル」のオタマジャクシは体が透明なので、体のつくりなどの観察がしやすく、児童にはもってこいの教材です。各自に配られたオタマジャクシを麻酔薬で眠らせてから、双眼実体顕微鏡で心臓の動きやえさ(スピルリナ粉末)が体に取り込まれる様子、体のつくりなどの観察をしました。

4つ目は、再び「ブラインシュリンプ」です。「ブラインシュリンプ」は動きが激しいので、双眼実体顕微鏡で覗いても、あっという間に視野からいなくなってしまい、普通ではなかなか細かいところまで観察することはできません。そこで、今回は洗濯のりを使って「ブラインシュリンプ」動きを緩やかにするという工夫をして、しっかりと観察できるようにしました。児童は動きが遅くなった「ブラインシュリンプ」を双眼実体顕微鏡で観察し、足や目の数などをじっくり調べました。
児童からは、双眼実体顕微鏡で生物を観察するたびに歓声が上がっていました。また、先生からのお話にも関心を寄せていました。

この講座を受講された浅井小学校、伊香具小学校、小谷小学校、神照小学校、木之本小学校、富永小学校、びわ南小学校、湯田小学校の5年生のみなさん、ご協力いただきました先生方、ありがとうございました。(小学校の並びは五十音順)

小学6年生講座「植物のからだのはたらき」

この講座では、双眼実体顕微鏡と双眼正立顕微鏡を使って2つの実験を行いました。

最初に行った実験は植物が水を運ぶ様子の観察です。
水は無色透明なので、普通は観察することができません。そこで、この実験では「長浜学びの実験室」ならではの工夫をして、水が植物の中を通っていく様子が観察できるようにしています。
まず、先生がどのように準備を進めるかお手本を見せた後、児童はその通りに進めていきます。そして、準備ができた植物を双眼実体顕微鏡に乗せて観察を始めると、実際に植物の中を水が通っていく様子が見えたようで、児童は歓声を上げていました。先生がそのしくみについて説明すると、児童は納得したようにうなずいていました。
最後に、この実験のまとめとして、花に水が通るかどうか確かめる実験も行いました。

二つ目の実験は植物が吸い込んだ水を吐き出す場所の観察です。
この実験は教科書にもよく書かれている内容ですが、「長浜学びの実験室」では一工夫して、その場所がよりはっきりと観察できるようにしています。
まず、先生が植物からどのように試料を作るかお手本を見せた後、児童は各自で作業を進めます。そして、できた試料を双眼正立顕微鏡に乗せていよいよ観察です。先生が観察方法やポイントをお話ししながらお手本を見せた後、児童は各自で観察を進めましたが、「長浜学びの実験室」では先生以外にも実験を支援するスタッフが多く、児童一人一人に対して手厚く指導することができます。最終的には、全員が400倍まで拡大した状態でその場所を観察することができました。

この講座を受講された朝日小学校、塩津小学校、田根小学校、長浜小学校、永原小学校、七郷小学校の6年生のみなさん、ご協力いただきました先生方、ありがとうございました。(小学校の並びは五十音順)

「長浜学びの実験室サポーター」にご協力いただいた企業様を掲出しました
(掲出を許可いただいた企業様のみ)

産業振興と理系人材の育成のため長浜市内の小中学生が理科を学習するための教室「長浜学びの実験室」を大学と長浜市が連携して「理系人材育成事業」として展開しております。
本事業を資金面でサポートいただける「サポーター企業」に右記の企業様が加入いただき、毎年度ご寄付を賜り実験室の運営を資金面で支えていただいています。
今後も多くの企業様にサポーターとして加入していただけるようにお願いをしてまいりますのでご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

2021年6月

学校法人関西文理総合学園
理事長 若林 浩文