×

文部科学省 平成21年度「大学教育・学生支援推進事業【テーマA】大学教育推進プログラム」に選定

【大学教育・学生支援推進事業【テーマA】大学教育推進プログラム】

 文部科学省が、各大学における学士力の確保や教育力向上のための取組の中から、達成目標を明確にした効果が見込まれる取組を選定し、広く社会に情報提供するとともに、財政支援を行うことにより、我が国の高等教育の質保証の強化に資することを目的して、各大学等からの申請を審査し選定するものです。

 

 長浜バイオ大学が申請した取組名称は「志向性を加味した双方向性学習の場の構築」です。

 

 申請件数は、大学全体で505件、私立大学では348件。選定件数は、大学全体75件、私立大学では42件。私立大学の採択率は12.07%でした。

 

 長浜バイオ大学では、さらに、学生の学士力の確保、教育力向上を目指し、学生の質確保の取組を推進してまいります。

 

【「志向性を加味した双方向性学習の場の構築」取組の概要】

(1)志向性を加味した双方向性学習の場の提供:学生個々人の学力やモチベーション、その他の資質が異なることを考慮すると、大学における最も望ましい教育形態は「学生個人のレベルに応じた学習の場の提供」であり、少人数の対面形式のものが最良であるが、諸事情から、現実的ではない。我々は志向性を加味した双方向性学習の場の提供をすることにより、現在本学で実施している教育科目を流れに沿って体系的、統合的に学べる勉学の支援の場を提供し、少しでもこの目標に近づけ得るものと考える。この勉学の場の特徴は学生個々人の勉学の到達レベルと達成度合いを分かりやすく把握させ、到達目標に向かう道筋と流れを明らかにさせることにある。このために、「バイオ学習ワンダーランド」(仮称)と呼ぶバーチャルな学習の場を設ける。この場では修学のレベルと修学のコンテントを統合的に体系づけておく。学生は自己の修学カルテ(ワンダーランドパス)を基に、トレッキングコース(例えば一般教育科目)から入り、クライミングコース(例えば専門教育科目)を目指し、最終的にワンダーランドマウンテン(バイオサイエンスの習得)の登頂を図る。教職員は全員がここの住人となり、学生の修学カルテを判断して、ゴールに向かう学生をサポーター(道案内人、トレーニングセンタートレーナー、ホスピタルドクター、看護士など)として側面支援する。従来の双方向性学習の場では、学生と教職員は共通の広場を共有し、相互訪問するというイメージがあり、それぞれの学習相互の関連性は切り離されている。また、学生個々人の到達レベルに応じた習熟度段階別の対応を図ってはいない。我々の提案では、最終的目標設定があるため、学生に勉学の流れ、連続性をこの学習の場にいることで実感させることができる。また、修学カルテにより自己のレベルを把握しながら、自己のレベルに応じて、直近の目標を設定できる。「ワンダーランド化」構想は本学の学生には「バイオサイエンス」の習得という単一目標があること、かつ本学の一般教育科目、専門教育科目のほとんど全てが「バイオサイエンス」に統合的に体系づけられ得ること、また、全学学生数が1000人程度と少数の学生からなる小さな大学であることから、学生個々人の学力把握と、学力別側面支援がバーチャルを加味した上で充分に可能であると判断した。

(2)修学過程の完全ポートフォリオ化による学習力の把握と支援体制の強化:学生の学習レベルを完全に把握するために、修学カルテを作る。現在、個別に作っている学生個々人の成績簿や履歴など個人情報に学生の自己評価も加え集約的なポートフォリオを作成し、教員側と学生側の両方から閲覧可能(学生同士は不可)な修学カルテとする。講義科目(当初は一般教育科目)(特に、数学、物理学、化学、生物学、英語)については、習熟度を測るアチーブメント形式のテストを段階別に作り、レベルを把握し、レベル到達(クリア)に向けたテキストを独自に作成する。到達レベルはカルテに記入し、学生と教職員がその情報を共有する(学生間には非共有)。いずれは専門教育科目についてもアチーブメント形式により理解度レベルの把握を行う。一部の教員を教育科目の補助教員(ワンダーランドのウオッチャー)として住まわせ、学生の修学カルテをチェックして、成績不良者の動向を把握し、トレーニングセンター、またはホスピタルに送る。トレーニングセンターやホスピタルではさらに具体的な勉学の指針を学生個々人に示すと共に、即応したテキストを与え、指導する。勉学の到達レベルの向上(治療)効果はアチーブメントによって評価する。治療後の学生はリハビリテーション(リメディアル教育)を受けさせる。学生個々人はヘルプカードを持ち、特定の教員、補助教員あるいは不特定の教員に指導を受けたり、勉学に対する要求、要請をしたりできる、匿名、非匿名の投稿が可能な掲示板(広場)を設ける。

 

 

 

pict.jpg