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第101回長浜バイオ大学バイオセミナー

日 時:2014年4月22日(火)15時40分〜17時00分
場 所:命北館4F 中講義室6

 第101回バイオセミナーは、滋賀医科大学でご活躍されているお二人の先生に30分ずつお話ししていただくジョイント形式となります。
 等誠司先生は神経幹細胞の発生、メカニズムなどのご研究をされています。また、依馬正次先生は、繊維芽細胞のiPS細胞への初期化、内部細胞塊のES化の分子機構解明等でご活躍されています。

テーマ1:神経幹細胞から探る精神疾患
講 師:滋賀医科大学 生理学講座統合臓器生理学部門 教授
       等 誠司 先生
【講演内容】
 私たちは、神経幹細胞に関わるさまざまなことに興味をもって研究しています。神経幹細胞は、自己複製能と多分化能を併せもった未分化な細胞で、胎生期に脳の全ての神経細胞・グリア細胞を産み出すだけでなく、成体の脳でも重要な働きをしていると考えられています。私たち成人の脳でも、記憶に関わる海馬において、毎日700個程度の神経細胞が新たに作られているらしいのです。私たちは、この神経細胞新生が、動物の気分や情動を調節しているという仮説を、マウスやカニクイザルを用いて、検証しようとしています。他にも色々な面白い研究をやっていますので、幾つかをご紹介したいと思います。

テーマ2:多能性幹細胞の未分化性維持および分化制御機構
講 師:滋賀医科大学 動物生命科学研究センター  教授
       依馬 正次 先生
【講演内容】
 我々の研究室は昨年9月に動物生命科学研究センターに発足した新しい研究グループです。テーマとして、多能性幹細胞の未分化性維持の分子基盤の解明を目的に、Klf5という転写因子を切り口として研究しています。循環器、特に血管がどのようにして階層性を呈する構造へ発生してくのか興味を持って研究しています。また、滋賀医大の動物センターは、非ヒト霊長類であるカニクイザルの全国有数の飼育・研究施設であり、げっ歯類では明らかにすることが出来ない高次脳機能などの研究を行っていく予定です。これらに関して概説させていただきます。