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本学教員の参加する産学共同研究がJASIS2013で展示、報道されました

 本学バイオサイエンス学科・長谷川慎准教授と(株)村田製作所および京都大学・九州大学・大阪市立大学が共同で取り組んでいる新しいバイオセンサーの開発成果が、新聞3紙に取り上げられました。

 このバイオセンサーは、特定の周波数の電磁波を当てるだけで特別な構造を持つ金属薄膜に付着した物質を検知できます。簡単、手軽で、高感度な上に装置の小型化・低価格化が可能なことから、新しい研究支援・医療診断機器への応用展開が期待されています。9月4日〜6日に東京で開催されるアジア最大の分析・科学機器の見本市JASIS2013で、村田製作所ブースにおいて試作品が展示されます。

【掲載紙】
日刊電波新聞(8月30日)
日経産業新聞(8月30日)
日刊工業新聞(8月30日)

【教員紹介】 長谷川 慎

【外部サイト 関連ニュース】
マイナビニュース [開発・SE] 2013.08.30
日経BP Tech-On ! ニュース 2013.09.02
WEBジャーナル OPTRONICS 2013.09.03

2013年8月30日 日刊電波新聞より
微量物質を簡単に検出 金属メッシュデバイス 村田が開発

 村田製作所は29日、金属シートに空けた数マイクロメートルオーダーの穴で微量物質を検出したり、篩(ふるい)にかけることができる世界初の金属メッシュデバイスを開発した、と発表した。
 検出したい対象物が金属メッシュデバイスに空けた1-数マイクロメートルの穴サイズより大きいと、検出物が穴を通過せずに金属メッシュに付着する。これを利用して金属メッシュデバイスに簡易なテラヘルツの電磁波を照射(入射)し、金属メッシュデバイスから透過してくる電磁波の特性変化を検出器で検出することで、被検出物の有無、量(要検量線)が簡単に分かる。
 簡単、手軽、ラベルフリー、ハイスループット、サブ・ナノグラムレベルの検出感度を特徴に、リーダーの小型化(手のひらサイズ)・屋外使用などを進めながら、大学、製薬・創薬などの研究機関や医療現場などのニーズを捉え、15年初めの実用化を目指す。
 同社は、ジャイロ加速度センサーで培ったMEMS技術とSAWフィルターなどの薄膜技術を応用し、4年かけて開発した。用途開発で京都大学の小川雄一博士、生化学反応などで九州大学の三浦佳子博士、メッシュのメカニズム、動作原理などで大阪市立大学の菜嶋茂喜博士、バイオ検出などで長浜バイオ大学の長谷川慎博士の協力を得て開発に成功した。
 現在、厚さ数マイクロメートル、最大10センチメートル角サイズの金属シートに1-数マイクロメートルの穴を空けることができることからインクジェットの吐出液の検出(検出感度0.1マイクロリットル-)をはじめ、細胞・菌・花粉・ほこり、粉体などの検出(同10個/100平方マイクロメートル)、抗体抗原反応の生化学反応やタンパク質といった分子結合の検出(同100ナノグラム/ミリリットル-)、透明フィルム検出・フィルム厚測定などのフィルム検出(同2マイクロメートル厚-)、薄膜半導体検出・薄膜膜厚測定などの薄膜検出(同30ナノメートル厚-)に使えることを確認している。
 今回の開発成果は、9月4-6日まで千葉・幕張メッセで開催されるアジア最大の分析・化学機器展「JASIS」の同社ブースで展示、紹介する。