本学の田邉瑠里子助手(アニマルバイオサイエンス学科)、後藤拓(バイオサイエンス研究科)、野村慎太郎名誉教授、理化学研究所 バイオリソース研究センターの澁谷仁寿研究員、田村勝室長の研究グループは、2種類の新規造影剤を開発しました。
ヒトで用いられている血管造影剤は50−100μmの血管が検出限界であり、マウスなどの小型実験動物に転用すると毛細血管の詳細を検出することが困難でした。
本研究で開発された造影剤は二酸化チタンのナノ粒子を用いることで、従来の血管造影剤より粘度が低く、血管が変形しにくいものとなりました。それにより本来の血管の形を観察しやすくなりました。さらに微細粒子を使用していることで従来不可能だった直径4μmの血管まで可視化することが可能となりました。
これにより実験動物を用いて微小血管の詳細な構造を解析できるようになり、病理学的研究の発展に役立つと考えています。将来的には疾患の診断や治療法の開発に貢献することが期待されます。
本成果はInternational Journal of Biomedical Imaging に掲載されました。
論文名「Visualization of Small Vessels by Micro–Computed Tomography Using Titanium Dioxide Nanoparticles as a Novel Contrast Agent」
International Journal of Biomedical Imaging, vol. 2025, Article ID 6688558, 11 pages, 2025
Taku Goto, Ruriko Tanabe, Hirotoshi Shibuya, Masaru Tamura and Shintaro Nomura
