学校法人 関西文理総合学園
理事長 仁連 孝昭
地球は生命に溢れた惑星です。地球上の生命は38億年の歴史を持っています。38億年を通じて多様な生命が生まれ、生命のつながりが生まれ、複雑でしなやかな生態系がかたちづくられてきました。そのおかげで、私たち人間は生きていく上で必要な食料をはじめ多様な材料を手に入れることができ、また穏やかな環境の恩恵にあずかることができたのです。
多様な生命は人間の生存にとって欠かすことのできない基盤であることに間違いありません。しかし、私たちは化石燃料をエネルギー源として使うようになってから、大量の鉱物資源、生物資源を利用することが可能になり、その結果、温室効果ガスの過剰な排出による気候変動、生物多様性の喪失を招き、地球環境と人間生存の危機を迎えています。
このような時代にこそ地球に繁栄をもたらした生命の仕組みから学ぶことが重要になってきています。私たちの未来、地球の未来を切り開く知は生命の中にあるといえます。
生命システムはその進化の歴史を通じて、多様な物質、プロセス、機能、構造、関係性を創り出し、それらが多様な生命の繁栄を支えてきました。バイオサイエンス(生命科学)は生命が蓄積してきた知を解明する科学であり、生命科学がこれからの人間と環境が共存できる地球を築く礎を築くことになります。
生命知を究め、それを社会に適用する技術とアートを創造する大学しての本領を発揮し、教員、職員そして学生諸君の主体的で未来志向的な活動を育む場として長浜バイオ大学の真価が問われています。この社会的使命に応えるため、生命を師とし生命から学ぶ姿勢を持ち続けることを何よりも大切にしたいと思います。そして学びは押し付けられるものではなく、内発的なものであることを肝に銘じたいと思います、これは学ぶ者の生命を尊重することでもあるのだから。