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第122回バイオセミナーのご案内

第122回バイオセミナーのご案内をいたします。今回は、川瀬雅也先生のご紹介で、岡山理科大学工学部バイオ応用化学科・研究員の土肥裕希先生をお迎えして開催いたします。土肥先生は、微生物や細菌を専門にご研究されております。

関連他分野のお話を聞ける良い機会ですので、教員、大学院生はもちろん、学部学生も多数ご参加ください。

日 時 2015年11月24日(火)15:20~16:40

会 場 命江館3F 中講義室①

演 者 土肥 裕希先生(岡山理科大学工学部 研究員)

演 題 「細菌の酸化ストレス応答と耐性化機構」

 地球上の生物は環境から様々なストレスを受けており、特に微生物はその生育環境の多様性から極端なストレス環境に曝されることが多い。微生物が曝されるストレスは、栄養源の枯渇、温度、浸透圧、紫外線、金属、有害物質などさまざまであるが、微生物はこれらのストレスに応答し、耐性機構を発現させることによって、一定レベルのストレス下でも生命活動を維持している。酸化ストレスは、酸素呼吸や窒素代謝で発生する活性酸素種(reactive oxygen species, ROS)や活性窒素種(reactive nitrogen species, RNS)によって引き起こされる。ROSやRNSは強い酸化力を有しており、DNA、タンパク質、リン脂質などの細胞構成成分を酸化する。したがって、ROSやRNSが細胞内に過剰に蓄積されると強い酸化ストレスを伴う細胞傷害が引き起こされる。本講演では、演者らによって見出された新たな知見とあわせて、細菌が発現する酸化ストレスに対する応答と耐性化機構について概説する。