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ポリリン酸の蓄積が細胞寿命を短縮することを発見

本学の向由起夫教授(フロンティアバイオサイエンス学科・応用微生物学研究室)と同研究室の梅田知晴、中島俊雄、丸橋翼らによる研究成果が国際学術誌「FEBS Letters」にオンライン掲載されました(doi:10.1002/1873-3468.14715)。

出芽酵母はパンやお酒の発酵に用いられる微生物ですが、基礎的な細胞寿命研究にも用いられます。出芽酵母はヒト細胞と同じように分裂回数に限界(分裂寿命)があります。出芽酵母は液胞という細胞内小器官で無機リン酸が連なったポリリン酸を合成して蓄えます。このポリリン酸を高度に蓄積させると寿命が短くなることを発見しました。すべての生物がポリリン酸をもつので、ポリリン酸が多くの生物の細胞寿命に関係することが期待できます。

論文名「Overexpression of polyphosphate polymerases and deletion of polyphosphate phosphatases shorten the replicative lifespan in yeast」FEBS Letters(2023) 597: 2316-2333

(左から)梅田知晴さん(D3)、向教授