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細胞内タンパク質の分解の担い手であるプロテアソームを活性化させるアミノ酸配列を同定

本学の長谷川慎教授(フロンティアバイオサイエンス学科)の研究グループの成果が「International Journal of Molecular Science」に掲載されました。

プロテアソームは、細胞内でタンパク質を分解する重要な経路です。この経路の働きが弱まると、細胞死が誘導されるため、これを利用して特定の血液がん治療薬が開発されています。逆に、プロテアソームの活性を高めることで、アルツハイマー病やパーキンソン病のように異常タンパク質の蓄積が問題となる神経変性疾患の治療への応用が期待されています。この研究では、プロテアソームの活性を促進する新しいアミノ酸配列を、進化分子工学に基づくスクリーニング手法を用いて同定しました。この発見は、プロテアソームの活性制御の仕組みをもとに治療薬を開発するうえで研究の可能性を広げるものです。

発表論文:Acceleration of Protein Degradation by 20S Proteasome-Binding Peptides Generated by In Vitro Artificial Evolution. Int J Mol Sci. (2023) 17486. doi: 10.3390/ijms242417486.