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暑さを嫌い涼しい環境に棲むサンショウウオの仲間、その生息地選択の仕組みを解明

齊藤修教授(アニマルバイオサイエンス学科)、堀翔悟助手(メディカルバイオサイエンス学科)と久保義弘教授(自然科学研究機構生理学研究所)らの研究グループは、涼しい環境を好むサンショウウオなどの有尾両生類が持つ熱さを感じるセンサーTRPV1の特徴を明らかにしました。この高温のセンサーは、ヒトやマウスなど多くの動物に比べ10℃近くも低い温度から活性化される特別な性質があり、有尾両生類という動物の生態を良く説明することが分かりました。さらにこの特性はセンサータンパク質のアミノ末端の2個のアミノ酸残基の変化で獲得されたものであることを突き止めました。

これらの発見は、温度感覚を生み出すセンサーの活性化機構の解明だけでなく、地球上に生息する動物界で起きてきた多様性獲得の仕組み解明に大きく貢献します。

また、TRPV1はヒトにも共通な“痛みのセンサー”でもあるため、ヒトの神経障害性などさまざまな「痛み」に関係した疾患の治療や新薬開発、さらに遺伝マーカーの開発に繋がる突破口になる可能性があります。

今回の成果は、2023年5月11日(木)18:00(日本時間)に国際科学誌「Nature Communications」(オンライン)に掲載されました。

詳しくは共同プレスリリースをご覧下さい。