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俣野泰毅特任助教が脳循環代謝学会学術集会 優秀演題賞を受賞

本学の博士課程後期課程修了生の俣野泰毅特任助教が、第64回脳循環代謝学会学術集会で優秀演題賞を受賞しました。

受賞題目は「脳梗塞後の血管透過性亢進に伴う活性酸素種の産生が神経変性および神経機能に及ぼす影響の検討」です。

近年、神経疾患である多発性硬化症やアルツハイマー病において、血管透過性の亢進に伴い産生された活性酸素種(ROS)が神経細胞変性および神経機能障害を引き起こすことが報告されました。そこで本研究では脳梗塞誘導後の急性期における血管透過性亢進とROSの関連を検討しました。検討には、本学で開発した新規の脳梗塞モデルマウスを用いました。検討の結果、脳梗塞周辺部で血管透過性が亢進し、それに伴って血液凝固因子の1つであるフィブリノーゲンの漏出が誘導されること、その受容体として機能するインテグリンを介してROSが産生されること、さらにこのROSが神経細胞の樹状突起の変性を誘導して身体機能異常(神経機能障害)を増悪すること、を明らかにしました。今後は、脳梗塞急性期における新規治療法、治療薬の研究・開発への応用が期待されます。