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今村綾先生の論文がPCP「優れた論文12編」に選ばれました

PLANT & CELL PHYSIOLOGY LEADING PAPERS

PCP
LEADING PAPERS

今村綾・バイオサイエンス学科講師の下記の論文が日本植物生理学学会発刊の国際科学誌「PLANT & CELL PHYSIOLOGY」(PCP)のPCP Leading Papers( http://www.oxfordjournals.org/our_journals/pcp/leading_papers.html )に選ばれました。
PCP Leading PapersはPCP発刊55周年を記念して発行された特別号です。この特別号には、これまでPCPで発表された8,500編以上の論文の中から選ばれた研究のインパクトや注目度の最も高い12編の優れた論文が掲載されています。
Imamura, A., Hanaki, N., Nakamura, A., Suzuki, T., Taniguchi, T., Kiba, T., Ueguchi, C, Sugiyama, T. and Mizuno, T. (1999) Compilation and Characterization of Arabiopsis thaliana Response Regulators Implicated in His-Asp Phosphorelay Signal Transduction. Plant Cell Physiol. 40: 733-742.

今村先生は、シロイヌナズナをモデルに、植物の成長過程に関わる植物ホルモンであるサイトカイニンの情報伝達が“His-Aspリン酸リレー情報伝達機構”によって行われていることを明らかにしました。シロイヌナズナの全ゲノム配列がまだわかっていない時期にこの論文を発表したことが“His-Aspリン酸リレー情報伝達機構”の解明をめざす発端となったと言えます。今日、モデル植物シロイヌナズナをはじめとし藻類から種々の高等植物にいたるまで、ゲノム配列解析を背景に、“His-Aspリン酸リレー情報伝達機構”を構成する各因子の機能解明が進み、分裂組織の維持や維管束の形成、低温・乾燥ストレス応答、さらには生物時計の制御など多岐にわたる機能解明が進んでいます。
現在は、シロイヌナズナで進められた研究成果を基に、穀物植物“イネ”の“His-Aspリン酸リレー”シグナル伝達ネットワークの解明を目指しています。地球環境の激変による食糧危機に備えるためにも、乾燥や低温などの環境ストレスへの的確な応答方法を明らかにしたいと考えています。

【教員の紹介】 今村 綾