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がんの薬剤耐性克服剤の開発に向けKDM5阻害剤としてryuvidineを同定

長浜バイオ大学の水上民夫先生、佐々木隆造先生、長谷川慎先生、和田修一先生の研究チームと、理化学研究所との共同研究の成果が、「Scientific Reports」(2019年7月9日付)にオンライン掲載されました。

論文タイトルは「Identification of ryuvidine as a KDM5A inhibitor」で、細胞がん化と薬剤耐性の原因分子であるヒストン脱メチル化酵素KDM5の阻害剤としてryuvidineを同定し、本化合物が抗がん剤耐性の克服活性を示すことを明らかにしました。今後、KDM5の阻害剤そのものが抗がん剤になり得るばかりか、薬剤耐性克服剤となる可能性も示唆されており、後天的ゲノム修飾のメカニズムを用いた新たなエピゲノム薬として大いに期待されています。

*ryuvidineとは、細胞周期の調節に関わるCDK4/6酵素の阻害剤として見いだされた化合物ですが、この研究で3万もの候補化合物の中からランダムスクリーニングを行い、ryuvidineがKDM5酵素に対しても強い阻害活性を示すことを明らかにしています。