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第165回バイオセミナーのご案内

第165回バイオセミナーは、一般社団法人日本血液製剤機構・研究開発推進部のウイルス学、ウイルス安全管理がご専門の柚木 幹弘先生にご講演いただきます。
先生方、大学院生の皆さんをはじめ、学部学生の皆さんも、ご専門の研究分野を問わず多数ご参加ください。

日 時 2019年 7月23日(火)15時20分~16時40分
会 場 命北館4F 中講義室5
演 者 柚木 幹弘先生(一般社団法人日本血液製剤機構・研究開発推進部 参事)
演 題 「バイオ医薬品や細胞・再生医療におけるウイルス安全の現状」
要 旨 バイオ医薬品といえば、血液製剤やその遺伝子組換え代替製剤、抗体医薬に代表される遺伝子組換え蛋白医薬がイメージされます。近年の技術革新は目覚ましく、体から取り出した細胞や多能性幹細胞(iPS)・胚性幹細胞(ES)の分離・培養、これらの細胞への遺伝子導入、さらには遺伝子そのものを人の体に導入するなどの細胞・再生・遺伝子治療が社会実装されつつあります。これはカスタムメード医療の進展でもあり、医薬と医療の区別がつきにくくなることを示しています。そして、従前のバイオ医薬と同じ概念で有効性と安全性を評価することを困難にしています。
科学技術の進展には影の部分が伴います。この影をコントロールしておかないと患者さんの健康被害リスクが生じます。現実に多くの問題を私たちはこれまでに経験しています。患者さんの命を救うためには少しでも早い実用化を目指す必要があります。一方で、命を守るための検証には時間がかかってしまいます。この二律相反する問題について、私たちはどのように考えれば良いのか、過去の事例を参考に皆さんと一緒に考えたいと思います。