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計算化学の手法を用いて物性研究と データサイエンスを進める

川瀬 雅也先生(バイオサイエンス学科)

量子化学計算により物性研究を進めている川瀬雅也先生は、現在、2次元物質の電子物性の解析に取り組んでいます。2次元物質は電極材料などへの応用が期待されており、その電子物性の解明が望まれています。計算手法の進歩も著しく、現在、最新の計算手法を使うことが出来る環境整備が終わり、これから本格的な研究が始まります。燃料電池やリチウム電池の電極材料について、UPS(UV Photoelectron Spectroscopy)やメスバウアー分光による解析の報告もしています。

物性研究のほかに、QSAR(定量的構造活性相関)解析や統計解析などを用いて、共同研究を行い様々な研究グループのバックアップを行っています。2018年4月に発行された日本農芸化学会の英文誌『Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry』に掲載された論文では、ポリフェノール化合物のクルクミン類のAhR(Aryl Hydrocarbon Receptor)の阻害活性についてQSAR解析を行った結果を報告しています。

同じく2018年4月に発行された日本薬学会の英文誌『Chemical & Pharmaceutical Bulletin』では、生薬の原料となる芍薬の品質管理法の開発をめざし、生薬中の金属含有量の分析結果の多変量解析によるクラス分けを行っています。