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第155回バイオセミナーのご案内

第155回バイオセミナーは、大阪府立大学大学院理学系研究科・准教授で、細胞ペプチド化学分野がご専門の中瀬生彦先生にご講演いただきます。
先生方、大学院生の皆さんをはじめ、学部学生の皆さんも、ご専門の研究分野を問わず多数ご参加ください。

日 時 2018年7月24日(火)15時20分~16時40分

会 場 命北館4F 中講義室5

演 者 中瀬 生彦先生(大阪府立大学大学院 理学系研究科 准教授)

演 題 「細胞分泌小胞エクソソームを基盤とした薬物送達~ペプチド化学の効果的な利用~」

要 旨

細胞分泌小胞エクソソームは、microRNA や酵素といった細胞機能を制御する分子を内包し、周辺の細胞に取り込まれることで、疾患進展も含めた細胞間での情報伝達に寄与している。一方でエクソソームは、薬学的な観点からの高い優位性(免疫制御、生理活性分子の内包(人工・天然カクテル)、細胞間コミュニケーション経路の利用、無限分泌、タンパク質発現制御(設計と構築)、細胞治療への応用等)から、特にテーラーメード医療における次世代型薬物送達での活用が大きく期待されている。我々は現在、機能性ペプチドを簡便にエクソソーム膜に修飾できる技術開発を進め、例えば、人工ヘリックス相互作用認識ペプチドを用いた受容体標的、膜透過性アルギニンペプチドを用いたプロテオグリカン標的と細胞内移行促進、pH感受性膜融合ペプチドを用いたエクソソーム内包物のサイトゾル放出促進等の技術開発に成功している。本講演ではこれらの研究内容を中心に、機能性ペプチド修飾型エクソソームの細胞認識・細胞内取り込み促進技術について紹介し、さらなる技術革新・医療応用への可能性について議論する。