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第150回バイオセミナーのご案内(2/26)

第150回バイオセミナーは、シングルセルトランスクリプトーム解析でご高名な、金沢大学大学院医薬保健総合研究科特任教授の橋本真一先生にご講演いただきます。
先生方、大学院生の皆さんをはじめ、学部学生の皆さんも、ご専門の研究分野を問わず多数ご参加ください。

日 時 2018年2月26日(月)15時20分~16時40分

会 場 命北館4F 中講義室5

演 者 橋本 真一先生(金沢大学大学院医薬保健総合研究科 未病長寿医学講座 特任教授)

演 題 1細胞遺伝子発現解析による生物学と疾病の新たな理解

細胞分化の階層性や組織での細胞の不均一性の研究は、その多くが病理学的手法や細胞ソートなどにより細胞を単離、解析する手法によって進められてきた。しかしながら、細胞のマーカーが明らかとなっていないものに対しては解析が困難である。そこで最近、細胞集団の詳細を明らかにするため、多くの1細胞解析法が開発されてきた。我々もまた、1細胞を数千〜数万同時に解析する方法(Nx1-seq)を開発し、ヒトがん組織を対象に解析を行った。Nx1-seq法は、マイクロウェル中にて1細胞由来のmRNAを1種類のバーコード付加オリゴdT結合ビーズ上でトラップし、それを逆転写、増幅後シークエンスする技術である。
今回、この方法を用いて、ヒト子宮体がん組織等における細胞分布の多様性を紹介する。包括的な1細胞遺伝子発現解析は、複雑な生物系における細胞の多様性への理解を劇的に変化させ、循環腫瘍細胞分析、免疫障害および感染症、免疫療法および予防接種、治療開発のモニタリングの診断など、新たな臨床応用に役立つと考えられ、セミナーではその利用法について議論したい。