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第141回バイオセミナーのご案内(5/23)

第141回バイオセミナーは、バイオサイエンス学科臨床検査学プログラムの教授として、今年度より着任されました吉川清次先生にご講演いただきます。

先生方、大学院生の皆さんをはじめ、学部学生の皆さんも、ご専門の研究分野を問わず多数ご参加ください。

日 時 2017年5月23日(火)15時20分~16時40分

会 場 命北館4F・中講義室5

演 者 吉川 清次先生(本学バイオサイエンス学科教授)

演 題 間葉転換を標的にした難治性がん治療法の創出

ホルモン受容体・HER2陰性のトリプルネガティブ乳がん(TNBC)は、全乳がん症例の約15%を占め、分子標的が同定されておらず治療上の問題である。中でも乳がん幹細胞のマーカーとして同定されたCD44hi, CD24lo細胞集団は上皮間葉転換(epithelialmesenchymal
transition, EMT) の表現型を呈することが判明している。がん転移再発に伴う治療耐性は、難治性がんに共通した問題であり、その要因としてゲノム・エピジェネティックな変化の両方があるが、EMTは、後者の主要因である。EMTを制御することがTNBCを含めた難治性がんの治療につながると考えられる。本講演では、乳がんを起点として悪性脳腫瘍である膠芽腫まで展開してきた創薬標的同定に向けた基礎研究を紹介し、新たに判明したEMTと幹細胞特性・神経発生・免疫チェックポイント療法との関係、難治性がんの治療の可能性について言及したい。