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第140回バイオセミナーのご案内(3/7)

第140回バイオセミナーは、分子生物学がご専門である、名古屋大学大学院生命農学研究科の一柳健司先生にご講演いただきます。

他の研究機関の先生の研究内容を直接聞ける貴重な機会ですので、先生方、大学院生の皆さんをはじめ、学部学生の皆さんも、研究分野を問わず多数ご参加ください。

日 時 2017年3月7日(火)15時20分~16時40分

会 場 命北館4F・中講義室5

演 者 一柳 健司先生(名古屋大学大学院 生命農学研究科教授)

演 題 トランスポゾンと宿主エピジェネティック制御機構

トランスポゾンは宿主ゲノム内を転移する遺伝因子(DNA配列)で、哺乳類ではゲノムの半分近くを占めている。基本的には、これらの因子の転移は変異を伴い、場合によっては重篤な表現型を与えるので、トランスポゾンの転写活性は通常、エピジェネティックな機構によって抑制されている。

一方、近年の網羅的なエピジェネティクス解析から、逆にトランスポゾンが宿主ゲノムの転写やクロマチン構造に影響を与えていることも明らかされつつあり、ゲノム機能はトランスポゾンとそれ以外の領域との相互作用の上に成り立っていることが分かってきた。

本セミナーでは、宿主エピジェネティック機構やトランスポゾンの特徴について概説しつつ、特に次世代にゲノム配列を伝える生殖細胞でトランスポゾンの活性が制御される機構について我々の最新の研究成果を中心に紹介する。