×

第139回バイオセミナーのご案内(1/10)

第139回バイオセミナーは、植物分子細胞生物学・植物生理学がご専門で、植物のオートファジーの分子メカニズムの研究をされておられる、明治大学の吉本光希先生にご講演いただきます。
他の大学の先生の研究内容を直接聞ける貴重な機会ですので、先生方、大学院生のみなさんをはじめ、学部学生のみなさんも、研究分野を問わず多数ご参加ください。

日 時 2017年1月10日(火)16時50分~18時10分

会 場 命北館4F・中講義室5

演 者 吉本 光希先生(明治大学農学部生命科学科 環境応答生物学研究室准教授)

演 題 植物における細胞内自己分解系・オートファジーの役割・重要性

細胞質成分を液胞に輸送して分解する細胞内自己分解システム・オートファジーは、動きを制約されて外部環境に直接さらされる植物において大変重要な役割を果たしていると考えられる。電子顕微鏡などによる形態学的解析から植物においてもオートファジーの存在は古くから示唆されていたものの、植物個体におけるその実体や生理学的意義についてはほとんどわかっていなかった。近年、酵母の遺伝学的解析からオートファジーに必須なATGautophagy-related)遺伝子群が同定され、それらの多くが植物にも保存されていることが明らかになったことで、動物と同様、植物オートファジー研究の突破口が開かれた。
本セミナーでは植物オートファジー研究の概要とともに、最近明らかにしつつある選択的オートファジーによるオルガネラ品質管理機構について紹介し、植物の高次機能発現における自己分解の役割・重要性について総合的に議論する。