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第135回バイオセミナーのご案内(9/27)

第135回バイオセミナーは、腫瘍生物学、がん治療診断学、酸素生物学がご専門である、大阪府立成人病センター研究所生化学部門長の井上正宏先生にご講演いただきます。 他研究機関の先生の研究内容を直接聞けるよい機会ですので、教員、大学院生をはじめ、学部学生も研究分野を問わず多数ご参加ください。

日 時 2016年9月27日(火) 15:20~16:40

会 場 命北館4F 中講義室⑤

演 者 井上 正宏先生(大阪府立成人病センター研究所 生化学部門長)

演 題 初代三次元がん細胞培養法を用いたがんの特性解析と治療法の開発

がん細胞は単細胞化できるものと考えられがちであるが、 固形がんの特性は細胞-細胞間接着を維持した状態でのみ発揮され、単細胞化することで失われてしまう可能性がある。我々は、がん組織のがん細胞を単細胞化することなく、細胞-細胞間接着を維持したまま細胞塊として調製・培養する新しい技術を開発しCTOS (cancer tissue-originated spheroid) 法と名付けた。CTOSは、由来する患者がん組織の三次元特性を維持している。特に大腸がんなど分化がんでは分化特性を維持した培養系が存在しなかったことから、CTOSを解析することにより新たながん特性の解明につながる可能性がある。一方、CTOSは感受性試験にも応用可能で、患者間の多様性を反映するようなCTOSパネルを作成することで、新薬の開発やバイオマーカーの探索に応用できる。また、CTOS感受性試験の機械化を進めており、ハイスループットスクリーニングの試みを紹介する。