2016年3月まで本学に在籍していた新蔵礼子教授（現在は、奈良先端科学技術大学院大学）は、同じく本年3月まで本学大学院生であった岡井晋作さん、臼井文人さん、それに本学の長谷川慎教授、中村肇伸准教授らと共同で本学において進めていた研究成果を、“Nature Microbiology”に発表されました。
この研究は、マウスの腸から分離されたある種の抗体（W27IgA）が、腸内での悪玉菌と結合するが、善玉菌とは結合しないことに着目し、この抗体が腸内での細菌叢の改善に役立っていると考え、本抗体を投与することにより実験的なマウスの腸炎が改善されました。今後、人の病気の治療・予防に役立つことが期待されています。
“High-affinity monoclonal IgA regulates gut microbiota and prevents colitis in mice.”
Okai S, Usui F, Yokota S, Hori-I Y, Hasegawa M, Nakamura T, Kurosawa M, Okada S, Yamamoto K, Nishiyama E, Mori H, Yamada T, Kurokawa K, Matsumoto S, Nanno M, Naito T, Watanabe Y, Kato T, Miyauchi E, Ohno H, Shinkura R.
Nature Microbiology, オンライン版 日本時間 平成28年7月5日
doi: 10.1038/nmicrobiol.2016.103