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白井剛教授らの研究成果が米国科学雑誌に掲載されました

本学コンピュータバイオサイエンス学科の白井剛教授・土方敦司特任講師らのグループが参加する共同研究により、発達遅滞、小頭症、頭蓋内石灰化を伴う遺伝性脳症アイカルディ・グチエール症候群の新たな原因遺伝子としてIFIH1遺伝子を同定しました。
本学のグループは、IFIH1遺伝子産物とRNAの複合体立体構造のコンピュータモデリングにより、発見された病因変異がIFIH1遺伝子に与える影響を解析しました。
本研究成果は2014年7月3日午前12時(米国東部時間)に、国際学術雑誌Cell姉妹誌の『American Journal of Human Genetics』電子版にて公開されました。

The American Journal of Human Genetics  Volume 95, Issue 1, 3 July 2014, Pages 121-125
Aicardi-Goutières Syndrome Is Caused by IFIH1 Mutations

2014.07.02.プレスリリースpdf

【教員の紹介】 白井  剛

2014年7月15日 日刊工業新聞より
遺伝性脳症の原因遺伝子変異を解明 京大

京都大学大学院医学研究科の平家俊男教授、西小森隆太准教授らの研究グループは、アイカルディ・グチエール症候群(AGS)という発達遅滞を伴う遺伝性脳症の原因となる遺伝子変異を突き止めた。3人のAGS患者に、全ゲノムのうちたんぱく質に翻訳される配列だけを解析するエクソーム解析を実施したところ、全員にIFIH1遺伝子の変異があった。
研究グループは変異を調べるために、培養細胞に変異のあるIFIH1遺伝子を導入した。その結果、細胞の中ではⅠ型インターフェロンの発現などが確認できたことで、IFIH1遺伝子変異がAGSの原因と分かったという。
今後は遺伝子変異マウスを作製してAGS詳細を解析するほか、患者由来のiPS細胞(人工多能性幹細胞)を用いた病態解明や創薬開発にもつなげたい考え。
成果は、米科学誌アメリカン・ジャーナル・オブ・ヒューマン・ジェネティクス電子版に掲載された。
2014年7月13日 近江毎夕新聞より
脳症の原因遺伝子新たに発見 長浜バイオ大が共同研究で成果

長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科の白井剛教授、土方敦司特任講師らのグループが加わる共同研究でこのほど、発達遅滞、小頭症などを伴う遺伝性脳症「アイカルディ・グチエール症候群」の新たな原因遺伝子が突き止められた。
同症候群の原因遺伝子は過去に六つが突き止められていたが、共同研究では新たにIFIH1遺伝子の変異が発症原因の一つと証明された。白井教授らのグループは、IFIH1遺伝子の産物とRNAの複合体立体構造のコンピュータモデリングを活用し、発見された病因変異が細胞や遺伝子に与える影響を解析していた。
IFIH1遺伝子の変異はこれまでに、全身の臓器に炎症が起きる自己免疫疾患の一つ、全身性エリテマトーデスとの関連が指摘されており、今回の研究成果が自己免疫疾患の病態解明や治療薬の開発につながる可能性もあるとしている。
共同研究は京都大学、理化学研究所、かずさDNA研究所、長浜バイオ大学が参加した。京都大学では、平家俊男・医学研究科教授、西小森隆太・同准教授を中心とする共同研究チームが参加した。これまで発見されている原因遺伝子に変異がない三人のアイカルディ・グチエール症候群患者で、ゲノムの配列解析の新手法「エクソーム解析」を行い、三人全員にIFIH1遺伝子の変異を確認したという。
研究成果は国際学術雑誌「Cell」の姉妹誌『アメリカン・ジャーナル オブ ヒューマン ジェネディクス』電子版で公開された。