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第128回バイオセミナーのご案内(6/21)

第128回バイオセミナーは、山本章嗣先生のご紹介で、大阪大学産業科学研究所の山口明人先生にご講演いただけることになりました。山口先生は、生体膜輸送をご専門に研究をされておられます。

他大学の先生の研究内容を直接聞けるよい機会ですので、教員、大学院生はもちろん、学部学生も研究分野を問わず多数ご参加ください。

日 時 2016年6月21日(火) 14:00~15:00

会 場 命北館4F セミナー室⑦

演 者 山口 明人先生(大阪大学産業科学研究所 生体防御学研究室 特任教授)

演 題 異物排出輸送の構造的基礎

異物排出輸送体は細菌から高等生物に至るまでほとんどすべての細胞に存在する最も基本的な生体防御機構の一つである。異物排出輸送体は化学構造上共通性を見いだせない幅広い薬物、毒物を認識し排出することが特徴である。何らかの原因で、異物排出タンパクの発現が上昇すると、病原菌やがん細胞の多剤耐性という化学療法上の困難を引き起こす。最初に多剤耐性の原因として発見されたところから一般には多剤排出輸送体と呼ばれることが多い。近年、様々な異物排出タンパクの構造解析が進展し、異物排出の構造的基盤が明らかになりつつある。

本講演では、最初に構造決定され、排出機構の解析が最も進んだグラム陰性細菌のRND型異物排出輸送体を取り上げて、その異物認識排出機構の構造的基盤を解説したい。

(文献)
1. Murakami S., Yamaguchi A. et al. Nature 419, 587-593 (2002)
2. Murakami S., Yamaguchi A. et al. Nature 443, 173-179 (2006)
3. Nakashima R., Yamaguchi A. et al. Nature 480, 565-569 (2011)
4. Nakashima R., Yamaguchi A. et al. Nature 500, 102-106 (2013)