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大学院生 小笠原裕太さんが鈴木紘一メモリアル賞を受賞しました

DSCF5243.JPGのサムネール画像

 9月12日、大学院バイオサイエンス研究科博士課程後期課程2年生の小笠原裕太さんが、第86回日本生化学会大会において「Stearoyl-CoA desaturase 1 activity is required for the early stage of autophagosome formation suchas translocation of ULK1 to autophagosome formation site.」という演題で口頭発表し、鈴木紘一メモリアル賞を受賞しました。

【研究要旨】
外界から栄養を摂取できなくなると、細胞は自ら栄養素を作りださねばならなくなります。そんな時細胞はオートファジーを引き起こします。オートファジーが誘導されると、細胞内にオートファゴソームと呼ばれる二重膜構造体が出現し、細胞の一部が隔離されます。その後、リソソームと融合することで内容物は分解されます。分解産物は栄養素として利用され、細胞は飢餓を生き抜くことが出来ます。 またオートファジーは飢餓以外にも脳や心臓の病気にかかわっていることが報告されています。しかし、オートファゴソームが細胞のどこでどのように形成されるかについてはいまだ明確な答えがありません。本研究では、小胞体で不飽和脂肪酸を合成しているステアロイルCoA 不飽和化酵素 (SCD) 1がオートファゴソームの形成に関与していることを明らかにしました。今後、SCD1が如何にしてオートファジーに関わっているか解析し、オートファジーにおける脂質代謝の役割を明らかにしたいと考えています。

図1 小笠原.jpg