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第129回バイオセミナーのご案内(6/28)

第129回バイオセミナーは、昨年度に開設された「臨床検査学プログラム」の准教授として今年度より着任されました伊藤洋志先生にご講演いただきます。

伊藤先生のご専門は臨床検査学、生体防御学です。新任の先生の研究内容を聞ける良い機会ですので、教員、大学院生はもちろん、学部学生も研究分野を問わず多数ご参加ください。

日 時 2016年6月28日(火) 15:20~16:40

会 場 命江館3F 中講義室①

演 者 伊藤 洋志先生(長浜バイオ大学准教授)

演 題 生体防御における実力部隊の在り方を考える ― 好中球機能に関する研究と臨床検査 ―

白血球は生体防御に関わる免疫担当細胞であり、病原体に立ち向かう実力部隊であるといえる。循環血液中の白血球のうち、70%近くを占めるのが好中球である。好中球は、体内に侵入した細菌に対して迅速かつ強力に殺菌作用を発揮し、生体防御の一次機構において中心的な役割を担う。実際、好中球減少症や機能異常症では、しばしば重篤な感染症を繰り返す。しかし一方で、全身性炎症反応症候群(SIRS)、ベーチェット病、痛風といった種々の炎症性疾患の病態形成に深く関与している。このことは、好中球が生体防御に不可欠であると同時に、自身の組織を傷害し得る存在であることを示している。従って、好中球機能は極めて巧妙で厳密な制御機構の下にあると考えられる。

本セミナーでは、好中球の働きやその機能制御について概説し、近年のこの分野の研究トピックを交えて演者の研究内容を紹介する。また、好中球に関連した臨床検査についても随所で紹介したい。