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Pick up 授業

創薬・機能物質プログラム

バイオの広範な領域にまたがる創薬化学研究の基本を学ぶ

医薬品化学

授業風景医薬品化学、あるいは創薬化学(メディシナルケミストリー)とは、有機化学の知識を基盤として、病気の治療あるいは予防、診断に有効な分子を原子レベルで設計、開発・創製する研究分野です。創薬化学は有機化学を基盤とするものの、生化学、分子生物学、薬理学、薬物動態学、分析化学、あるいは生命情報学など、バイオサイエンスに関する広範な領域を含む学際的学問です。この講義では、創薬化学の歴史から最先端のゲノム創薬まで、こうした創薬化学研究に必要な基礎的事項について学ぶと同時に、代表的な医薬品開発の経緯を振り返り、創薬研究を行ううえで必要となる知識の基盤と、論理的思考力を形成することを目標としています。

生命現象を化学で操作する人類が培った新しい学問領域

ケミカルバイオロジー

授業風景抗生物質として有名な「ペニシリン」。実はアオカビが生産する物質であることを知っていますか?化学的手法を用いて生命現象を解明し、生物をコントロールする。それがケミカルバイオロジーです。抗がん剤にも植物や海洋生物由来の化合物が使われるなど、ケミカルバイオロジーに基づいた発見が医療に広く応用されています。医薬品のみならず、機能性食品や化粧品などの開発にも大いに貢献しています。講義では微生物や植物、海洋生物などから見出された50種類以上の化合物を取り上げ、医薬品開発を中心にバイオ応用事例を学びます。

環境・植物制御プログラム

植物独自の分子機構と制御メカニズムを理解する

植物科学概論

授業風景地球環境における絶対的な生産者として存在する植物は、固有の構造や生合成能力、独自の外部環境認識機構とその情報伝達機構を持っています。本講義では、植物の起源と特徴、植物細胞の機能、生命活動の営み、光合成の機構、植物ホルモンによる制御などに焦点をあてて、それぞれの分子機構と制御メカニズムを体系的に理解できるように紹介します。また、環境中における植物と他の生物との相互関係についても、その認識と制御のメカニズムの観点から最近の研究結果を交えて概説します。3年次以降の植物研究の基礎となる科目です。

生命現象の背景にあるシグナル伝達のメカニズム

生体分子応答学

授業風景多種多様な生命現象を、シグナル伝達の観点から理解するのがこの講義の狙いです。シグナル伝達とは、生物が体内外で何らかの刺激を受け取り、それに応じた変化を示す応答で、およそ10パターンの伝達経路に分類されます。シグナル伝達経路のメカニズムが理解できれば、がんの分子標的薬や食欲を抑制する肥満薬などの創薬の研究にも不可欠な基礎知識が身につきます。さらには野生生物の生殖機能に異常をきたす環境ホルモンにまで言及し、生命現象から環境問題まで幅広い講義を行っています。
さらには野生生物の生殖機能に異常をきたす環境ホルモンにまで言及し、生命現象から環境問題まで幅広い講義を行っています。

遺伝子・細胞新機能プログラム

ウイルス感染症克服の基盤知識を身につける

ウイルス学

授業風景ウイルス研究の最大の目的は、ウイルス感染症を克服することにありますが、そのためには、ウイルスの増殖機構を分子レベルで解明することが不可欠です。近年、分子生物学や遺伝子工学が進歩し、ウイルスの遺伝子操作が可能となってきました。これらの最先端技術を駆使し、ウイルスの病原性発現機構の解析が進んでいます。本講義では、細菌やカビなど他の微生物とは大きく異なるウイルスについて、その増殖機構やウイルス発がんのメカニズムなどの基礎的なウイルス学を学び、さらに遺伝子発現ベクターへのウイルスの利用といった応用分野へと発展させます。

放射線を正しく理解する基礎知識を修得

放射線概論

授業風景放射線の活用は医療や産業の各分野において私たちの生活に多大な恩恵をもたらしましたが、一歩間違えれば深刻な事態を招く「諸刃の剣」です。福島第一原発事故は、「正しく恐れる」ための知識の重要性を認識させるきっかけにもなりました。講義では、原子物理学の基礎にはじまり、放射線とは何か、放射線の測定法や生物への影響、医療への応用まで、理系の常識として知っておきたい放射線の基礎的な知識を身につけます。また、放射線を使用する大学や研究機関で常駐が義務づけられる「放射線取扱主任者」の国家資格取得にも関連しています。