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小森敏明教授・蔡晃植教授の最終講義を開催しました

2026年2月27日、長浜バイオ大学にて、退官される小森敏明教授、蔡 晃植教授による最終講義が開催され、多くの学生や教職員、卒業生が参加しました。


小森 敏明 教授 「臨床検査の近未来と臨床検査学コースの展望」

小森教授は、京都大学医学部附属病院での36年にわたる臨床検査技師としての経験を経て、2019年に本学へ着任されました。講義ではまず、かつてSFの世界(スター・トレック)で描かれていた「トリコーダー」のような非侵襲的な分析装置やAI診断が、現在の医療現場で現実のものとなっていることを紹介されました。「現在の医師の診断根拠の70%は検査データに基づいている」と述べ、臨床検査技師が医療において不可欠な役割を担っていることを強調されました。
また、滋賀県内および近隣の福井県において、本学が唯一の臨床検査技師養成コースを持つ大学として、地域の基幹病院へ多くの卒業生を送り出している実績に触れられました。今後の展望として、人口減少と高齢化が進む社会においては、病院内での検査に留まらず、在宅医療や予防医学の分野でも活躍できる人材が求められると指摘されました。最後に、理系的な分析能力に加え、文系的なコミュニケーション能力も備えた「分野横断型の能力を持つ学生」を育成し、地域社会に貢献し続ける大学であってほしいと、本学への期待を語られました。

蔡 晃植 教授 「植物の生物現象を追求した40年 -多くの出会いに支えられて-」

蔡教授は、東京大学、奈良先端科学技術大学院大学を経て、本学の開学初期から教育・研究に尽力されてきました。講義では、「植物が示す生理現象を化学の言葉で理解する」という一貫した研究テーマのもと、40年間にわたる歩みを振り返られました。初期の研究成果である光合成促進剤「コリン」が農薬登録され、現在も広く使用されているエピソードや、植物免疫のメカニズム解明において世界的な発見を成し遂げた経緯などが語られました。
さらに、地域貢献として長浜の伝統野菜の復活に取り組んだ「尾上菜(さいさい)」の育成や、伊吹山のヨモギの研究など、本学の学生たちと共に歩んだ多彩な活動を紹介されました。これまでに176名の学士、88名の修士、11名の博士を育て上げ、「学生や教職員、地域の方々との出会いがなければ、これほどの研究を続けることはできなかった」と深い感謝を述べられました。次世代の研究者に向けては、批判に真摯に向き合う姿勢や、自ら新しい価値を定義することの重要性を説き、「どれだけ研究したかではなく、新しい研究の目的や独自性を作ることが重要である」という力強いメッセージで講義を締めくくられました。

長年にわたり教育と研究に尽力された小森教授、蔡教授に、心から感謝申し上げます。お二人の功績は、これからも本学の発展にしっかりと引き継いでまいります。